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魔道書大戦RPG マギカロギア

推しが次元の壁を越えてきた

Pixiv版TALTO版(内容はこのページと同じ)

◆概要

PL人数:1人
リミット:3サイクル(3シーン)
推奨PC:第3階梯(HOの設定を適用できれば継続PCも可能)
レギュレーション:スタートブック/新書版1巻だけでも遊べます
難易度:低
※シンプルなシナリオだけど何でも許せる人向けです。

●あらすじ

とある休日。出かける予定もないし、先日行われた同人誌即売会で手に入れた戦利品でも読んでのんびり過ごそうとするあなたに、友人から電話がかかってきます。
「聞いて驚けよ」
「推しキャラが三次元にいたんだ!」
……一体、何が起きたというのだ?

●PCハンドアウト

(秘密なし)
あなたはアニメオタクです。趣味が合い、同じキャラを好きな友人と先日、同人誌即売会に参加してきたばかりです。欲しかったそのキャラの同人誌を二人とも手に入れました。
※GMと相談し、自分&友人の推しキャラを設定してください





本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社アークライト」「株式会社新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の二次創作物です。
©河嶋陶一朗/冒険企画局/アークライト/新紀元社

本作を遊ぶのにマギカロギアの基本ルールブック、もしくはスタートブックが必要です。本文中の「新書」表記は旧版ルールブック1巻、「大判」表記は基本ルールブックを、「スタブ」表記はスタートブックを指しています。

この先はGMをする方のみ読み進めてください。




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◆背景

とある〈混血主義者〉所属の〈書籍卿〉がある日、暇で暇で仕方なく、いたずらを仕掛けようとして魔道書を作ろうとしました。同人誌即売会の存在を知った〈書籍卿〉は、その中にある作品の一つ《合わせ鏡》を選び、同じタイトルの禁書を作り出し、本物の中にそれを混ぜました。もし〈愚者〉に憑依したら、鏡に映ったようにもう一人同じ姿の人物を生み出していたでしょう。

ところが、その魔道書を手にしたのは魔法使いであるPCでした。PCは無意識にその禁書の力を一部封じました。残った断章は、元の作品に出てくるキャラクターの姿を借りて逃げ出しました――。

◆事前準備

●推しキャラの名前を決めた場合、ハンドアウトの名前をそちらに変更しても構いません。

●「推しキャラ」をイメージした特技を一つ選んでください。エネミーデータや、ハンドアウトにある断章<鏡>、及び禁書<合わせ鏡>のデータの「推しキャラに因んだ特技」を選んだ特技に変更してお使いください。

●「推しキャラ」は実在しているキャラクターでも、オリジナルキャラクターでも、GMとPLが相談し、納得できればかまいません。RPするのはGMなので、設定のすり合わせを事前に十分にしておいてください。

●「中条理央」について、PCと同じ性別が良いでしょう。また、PCのアンカーにそういった友人がすでにいた場合、その人に差し替えても構いません。ただしその場合、シナリオアンカーはなしになりますので、GMは必ず事前にPLと相談して決めてください。




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◆導入

とある休日、PCは先日のイベントで手に入れた戦利品を堪能しているところ。一緒にイベントに参加した友人、理央から電話がかかってきます。
電話に出ると、「聞いて驚けよ!(推しキャラ)が三次元にいたんだ!」「街を歩いているところを見たんだ!コスプレじゃなくて本人だよ!」と騒いでいます。信じられない、など反応をすれば「本当だってば!証拠写真送るからちょっと待って!」と電話を切ると、メッセージアプリに写真を送ってくれます。そこに映っているのは確かにPCが大好きなキャラの姿でした。
「ツイ○ターとかでも話題になってるよ!すごいよこれ!」と理央が興奮気味でメッセージを送ってくれますが、送ってくれた写真(もしくはツ○ッター検索で見つけた写真や動画)を見続けると、PCはかすかに不思議な気配を感じた気がします。ある考えがPCの脳内をよぎります。もしや、これは魔法……?
不思議に思ったPCは、この件について調査に行くでしょう。

「HO:中条理央」「HO:推しキャラ」を公開。
【魔力】を決定し、中条理央をシナリオアンカーとして追加してください。
PCの使命は、「この事件の究明及び解決する」ことになります。




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◆展開

●運命変転に「不思議系災厄表」を使います。

●このシナリオにマスターシーンはありません。憑依深度も設定されていません。

●「自分の同人誌」の秘密が公開されたら
PCはプライズの断章<合わせ>に魔法/魔力の剥奪(新書版の場合魔法/特技剥奪)を行えます。
PCは禁書の存在に気づき、その力を感じ取れるでしょう。力が弱いため、この禁書の断章をすべて回収できたら禁書そのものを制御できるようになる、とPCは直感的に理解します。

●メインフェイズの間に、「推しキャラ」はとにかくキャラクター設定の通りに振る舞ってください。〈断章〉である自覚がないため、「自分=そのキャラクター本人」だと思いこんでいます。たとえば魔法が使えるキャラクターであれば、RPである程度使えることにしても大丈夫です。

●ハンドアウトの秘密を全く知らなくてもクリアできますが、クライマックス戦闘で不利になるため、PCが調査にあまりにも失敗していると(もしあれば)振り直しや、「無理」をするように薦めてください。




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◆クライマックス

PCと断章<鏡>、もしくは禁書<合わせ鏡>との戦闘がクライマックス戦闘になります。クライマックスフェイズに突入した時点で以下のように分岐します。

●ハンドアウトを全部調査成功した場合

PCが断章<鏡>に魔法戦を挑むことができます。挑まれた断章<鏡>は覚醒します。先攻はPCで、断章戦のためGMのプロットはランダムになります。

●「推しキャラ」の秘密を公開できなかった場合

断章<鏡>が覚醒し、PCが所持している断章<合わせ>を奪い返すために魔法戦を挑んできます。先攻は断章になります。断章戦のためGMのプロットはランダムになります。

●「自分の同人誌」の秘密を公開できなかった場合

PCが魔法戦を挑もうとした時、覚醒した断章<鏡>に、PCが知らずに所持している断章<合わせ>の存在を察知されます。覚醒した断章<鏡>はPCに気づかれないうちに、断章<合わせ>を奪い返し、禁書<合わせ鏡>に融合します。先攻はPCになりますが、禁書戦になるため、GMがプロットできます。

●「推しキャラ」「自分の同人誌」両方の秘密を公開できなかった場合

断章<鏡>が覚醒し、何も気づかないPCから断章<合わせ>を奪い返し、さらにPCに襲いかかります。断章は禁書<合わせ鏡>に融合し、戦闘は禁書戦になります。先攻は禁書で、GMがプロットできます。


いずれの場合でも、断章(禁書)は覚醒した時点で自分の正体に気づきます。が、現在の姿(推しキャラ)が気に入って、それを維持し、PCの支配から逃れ自由になるために戦います。PCは自分の一番好きなキャラクターを倒さなければなりません。


◆エネミーデータ

●クライマックスが断章戦の場合

断章<鏡>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6
領域:夢 特技:《幻》《(推しキャラに因んだ特技)》
【精霊召喚】 召喚 《(推しキャラに因んだ特技)》 スタブP190/大判P97/新書P184
【幻影】 呪文 《幻》 スタブP194/大判P109/新書P188

●クライマックスが禁書戦の場合

禁書<合わせ鏡>
攻撃3 防御3 根源3 魔力10
領域:夢 特技:《幻》《深淵》《(推しキャラに因んだ特技)》
【精霊召喚】 召喚 《(推しキャラに因んだ特技)》 スタブP190/大判P97/新書P184
【成長】 召喚 可変 スタブP190/大判P100/新書P184
【幻影】 呪文 《幻》 スタブP194/大判P109/新書P188


◆NPCの願い

中条理央:推しキャラの写真にサインがほしい
推しキャラ:平和に生きていきたい(GMが推しキャラに合わせて他の適切なものに変えても構いません)




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◆エピローグ

GMとPLが相談して決めても構いません。
特に思いつかない場合、事件を知った〈大法典〉からPCへ、回収した禁書を差し出すように命令が下ります。結局欲しかった同人誌を手に入れられなかったPCがどうするのか描いても良いかもしれません。(理央にお願いすればもしかすると貸してくれるかもしれません……?)

●データ上、禁書は大法典に回収されますので、セッション後には失われます。
●大判のルールを適用し、断章<合わせ>から【成長】を奪った場合、蒐集魔法などの処理をしても構いません。




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◆ハンドアウト

●中条理央(なかじょう りお)

あなたと同じジャンル、同じキャラが好きな友人。最近一緒にイベントを参加した。街で推しキャラが普通に歩いているところを目撃して大興奮している。
【秘密】
先日イベントで買ったばかりの同人誌をあなたに見せながら語り合ったことがある。自分も同じものを持っているはずだが、そういえばその時見た内容と少し違うような……?
○「HO:自分の同人誌」を公開。


●推しキャラ

友人とあなたの推しキャラ。街で歩いているところを目撃されていて、SNSに証拠写真や動画などがアップロードされている。言動が本人でコスプレではない様子。
【秘密】
断章<鏡>そのもの。あなたの大好きなキャラの姿を借りて、「本人」として過ごしているため、街に混乱をもたらしている。自分の正体に気づいていない。
魔法戦を挑み、断章を回収できたら、事件も収束するだろう。
○この断章に魔法戦を挑む場合、即座にクライマックスフェイズに移行する。
○断章<鏡>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6
領域:夢 特技:《幻》《(推しキャラに因んだ特技)》
【精霊召喚】 召喚 《(推しキャラに因んだ特技)》 スタブP190/大判P97/新書P184
【幻影】 呪文 《幻》 スタブP194/大判P109/新書P188


●自分の同人誌

あなたと友人の推しキャラが登場している薄い本、タイトルは《合わせ鏡》。よく見れば、内容が友人の持っている本と違うように見える。
【秘密】
暇を持て余した書籍卿が〈愚者〉たちのあたふたする様子を楽しむために作り出した、2単語の弱い禁書<合わせ鏡>。同じタイトルの、普通の同人誌に見えるように偽装されている。魔法使いであるあなたが無意識にその力の一部を封じていた。
○PCの領域からランダムで特技を決めて、判定してください。成功すれば、好きな魔素を1点獲得できる。
○PCはプライズとして断章<合わせ>を獲得できる。
○断章<合わせ>
攻撃2 防御2 根源2 魔力4
領域:闇 特技:《深淵》
【成長】 召喚 可変 スタブP190/大判P100/新書P184




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◆裏話(ネタバレ)

※シナリオ制作の裏話などです、読まなくてもシナリオを回せます。

なぜこのテーマを思いついたのかはもう記憶が曖昧になってきていますが、自分がPLしたいシナリオを書きがちなので、このシナリオでも例外ではなかったですね。皆さんだって推しに会いたいですよね…?

この頃はマギカロギアのいろんなソロシナリオを遊び始めて、3断章+クライマックス禁書戦というフォーマットじゃなくてもシナリオが成立するんだ!と気づき、ぜひ自分でも挑戦してみたくなりました。結果的に最初に完成したマギカロギアシナリオがこちらになりましたね(アイデアを思いついたのは「幸福へと導く光」が実は最初です)。

名前からしてギャグっぽく見えるんですが、
・推しが実際に存在しているわけではない
・推しと戦わなければならない
・買った同人誌は偽物だから当然手元に残らない
と言ったところにいわゆる「鬱」要素を詰め込んだつもりです。だから個人的には実はギャグとは思っていなかったりします。
実際テストプレイをしたときに以上の要素によって苦しんだり、書籍卿この野郎!!と強い怒りを感じたPLさんもいたので、マギカロギアらしい部分はちゃんとあると言い張りたい…!

ちなみにシナリオアンカーの理央ですが、PCの性別に合わせるので男女どっちでも取れる名前にしたつもりです。推しが同じということは同性であることが多いかなと思いまして。もちろん性別が違っても推しが同じだとなおさら素晴らしいし、とても魅力的な推しなんだな…!と思いますので、NPCに関してはやはりGMとPLが相談して決めるのがいいですね。

この文章を書いている時点(2020年7月)では続編として遊べるシナリオを製作する予定がありますので、合わせて楽しんでもらえたら嬉しいです。公開は恐らく2021年以降になりますが。
2022年追記:続編「次元の壁を越えて推しに会いに行った」が公開中です。来年にシリーズ完結編も公開する予定なので、お楽しみに…!

 

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