魔道書大戦RPG マギカロギア

次元の壁を越えて推しに会いに行った

Pixiv版TALTO版(内容はこのページと同じ)

●概要

人数:1人
リミット:4サイクル(4シーン)
レギュレーション:基本ルールブックのみで遊べます
推奨PC:第3階梯(HOの設定を適用できれば継続PCも可能)
難易度:易しめ~普通
※シンプルなシナリオだけど何でも許せる人向けです。

●あらすじ

いつも通りに過ごしているあなたに、友人から電話がかかってきた。
「今から推しキャラに会いに行こうと思う!その前に別れを告げようと思って」
「さようなら、友よ!三次元の世界よ!」
……こいつは何を言っているんだ?

●PCハンドアウト

(秘密なし)
あなたはアニメオタクです。趣味が合い、同じキャラを好きな友人がいます。あなた達は二次創作についての知識を持ち、同人サイトを閲覧することがあります。
※GMと相談し、自分&友人の推しキャラを設定してください
※拙作「推しが次元の壁を越えてきた」から継続で遊べますが、必須ではありません





本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社アークライト」「株式会社新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の二次創作物です。
©河嶋陶一朗/冒険企画局/アークライト/新紀元社

本作を遊ぶのにマギカロギアの基本ルールブックが必要です。本文中の「ルルブ」「ルールブック」表記は基本ルールブックを指しています。

この先はGMする方のみ読み進めてください。




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◆背景

とある〈混血主義者〉所属の〈書籍卿〉がある日、暇で暇で仕方なく、手に入れた禁書で何か面白いことができないかと考え始めた。アイデアを得るためにネットで検索したところ、二次創作サイトにたどり着いた〈書籍卿〉は、創作に登場するキャラクターを利用すれば愚者を異境に連れ込み、いたずらをしかけられるのではないかと思いついた。

こうして、異境を作り出せる禁書<Holy Gate of Heaven>の力により、二次創作界隈に妙な噂が流れ始めたのだった……。

◆事前準備

●推しキャラの名前を決めた場合、ハンドアウトの名前をそちらに変更しても構わない。

●「推しキャラ」をイメージした特技を一つ選んでください。エネミーデータや、ハンドアウトにある断章<Heaven>、及び禁書<Holy Gate of Heaven>のデータの「推しキャラに因んだ特技」を選んだ特技に変更してお使いください。

●「推しキャラ」は実在しているキャラクターでも、オリジナルキャラクターでも、GMとPLが相談し納得できればどちらでも構わない。RPするのはGMなので、設定のすり合わせを事前に十分にしておいてください。

●シナリオアンカー「中条理央」はPCと同じ性別にすると良いだろう。また、PCのアンカーにそういった友人がすでにいた場合、その人に差し替えても構わない。ただしその場合、シナリオアンカーはなしになるので、GMは必ず事前にPLと相談して決めてください。




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◆導入

とある休日、PCがのんびり過ごしているところで(もしかすると推しキャラの二次創作を鑑賞している最中に)、友人の中条理央から電話がかかってきた。
電話に出ると、「さようならを言おうと思って」「今から推しキャラに会いに行くから、その前にあなたに別れを告げたい」「さようなら、友よ!三次元の世界よ!」などと言われる。引き留めたり、詳細を聞こうとすれば、以下のことを教えてくれる:

・「次元の扉」という二次創作サイトがあり、サイトにアクセスし、推しキャラの名前を入力すればそのキャラに会える
・ただし全員が成功するわけではなく、会えるかどうかは運次第
・仕組みはわからないが、夢を見ているわけではなく、推しキャラが住む世界で推しキャラと交流できるらしい
・一定時間が経過したら、推しキャラに「家に帰りたいか?」と聞かれるので、「帰りたい」と答えれば家に戻される
・「帰りたくない」と答えればどうなるかは、報告された事例がないからわからないが、推しキャラとずっと一緒にいられるんじゃないか?と理央は考えている

理央は「今から試してくるけど、あなたも興味があれば試してみれば?リンクを送っておくよ」と言い残して電話を切る。その後すぐに一つのURLがメッセージアプリに届くだろう。
PCがサイトにアクセスすれば、青空に白い雲が漂う背景に、「次元の扉」「ようこそ、3798人目のお客様」と虹色の文字が書かれたページが表示される。その下に、「あなたの推しキャラの名前を教えてください」の文字と共に、文字を入力できる欄がある。他には「Gallery」等のページに繋がるリンクもある。
理央が言っていた通りだ、と思ったのも束の間、サイトを眺めているうちにPCはかすかに不思議な気配を感じた。
ある考えがPCの脳内をよぎる。もしや、これには魔法が関係しているのか……?

GMは「中条理央」と「次元の扉」のハンドアウトを公開してください。
また、【魔力】を決定し、中条理央をシナリオアンカーとして追加してください。属性は自由に決めて構わない。
PCの使命は【次元の扉に纏わる噂の真相を確かめる】になる。


※(セッションする際、以下のページをご利用いただけます:
  https://sakari.host-ed.me/scenarios/gate/door.html
  あくまでこのシナリオ用の素材なので、他の目的での利用はご遠慮ください)
※導入で推しキャラを入力しても(他の断章を手に入れていないため)何も起こらない。
※サイトに訪れた人数は任意に変えて構わない。噂が広まってきていることを考えて4桁はあるほうがいいだろう。
※「Gallery」ページには「推しキャラ」が登場する作品の二次創作が掲示されている。違う人が見る場合、違う作品が掲示されたように認識する。




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◆展開

●シーン表

異境シーン以外は、基本ルールブックのシーン表を使用する。
異境での処理は当該項目を参照してください。

●運命変転表

運命変転に「不思議系災厄表」を使用する。

●憑依深度

このシナリオに憑依深度は適用しない。

●セッション進行

ハンドアウト「中条理央」と「次元の扉」の秘密が両方公開になったら、マスターシーン「次元を越えて」が発生する。
3サイクル目の終了時、「次元の扉」の秘密を獲得できなかった場合、マスターシーン「狙い定める」が発生する。
クライマックスフェイズまでに異境にたどり着けなかった場合、マスターシーン「消えていく壁」が発生する。

●異境「天堂仙境」

世界法則:不干渉、不安定、領域補正
異境に訪れた人間の記憶から読み取った「推しキャラ」が存在する世界の景色が反映される。そのため、その人間の記憶にないものは存在しない。禁書は異境の空間を切り分けて、迷い込んだ人同士が出会わないように独立した空間に閉じ込めている。
「天堂仙境」の景色はPCによって異なるため、シーン表は使用せず、GMがPLと相談して描写してください。その代わりに、PCはドラマシーンの開始時に1D6を振り、出目に対応する魔素が発生する(領域補正の魔素とは別々に発生する)。

●推しキャラについて

推しキャラはキャラクター設定の通りに振る舞うが、魔法使いであるPCの登場により、自分が本物ではないことを自覚している。そのため、本物ではないと指摘しても「そうかもしれない」と答える。
推しキャラは異境での暮らしを気に入っているので変化を望んでいないが、PCが禁書を回収しようとするのは特に阻止することもなく、成り行きを見守っている。

●マスターシーン「次元を越えて」

※PLが移動を後回ししたい場合、希望されるタイミングで再びこのマスターシーンを発生させてもいい。
ハンドアウト「中条理央」と「次元の扉」の秘密が両方公開になったら発生する。
GMは、サイト「次元の扉」に推しキャラの名前を入力すれば異境に移動できることを改めてPLに伝えた上、入力するように薦める。
入力すれば、PCはまるでパソコン(または使用している端末)の画面に吸い込まれるように、異境に移動させられる。
次にPCが目にする景色は、よく知っているが訪れたことのない場所のものになっていた。推しキャラが登場する作品の中にある場所だからだ。
GMは作品の世界観に合わせて描写してください。想定されている風景は、推しキャラの家、もしくは安全に休める、「拠点」のよう場所である。
見覚えのある風景を見渡すと、PCはふと視線を感じる。振り返れば、そこには推しキャラの姿があった。
GMはハンドアウト「推しキャラ」と「異境」を公開し、次のシーンへ進んでください。以降のシーンの処理に関しては【異境「天堂仙境」】の項目を参照してください。

●マスターシーン「狙い定める」

3サイクル目の終了時、「次元の扉」の秘密を獲得できなかった場合に発生する。
PCはある光景を幻視するか、中条理央と一緒にいる場合は現場を遭遇することになる。
理央がスマホを取り出して、ブラウザから「次元の扉」をアクセスする。そして噂の通りに推しキャラの名前を入力した。
途端、魔法の気配がスマホから溢れ出て、理央に纏う。――断章に憑依されたのだ、とPCは気づくだろう。
以降、理央は断章<Gate>に憑依されたことになる。GMは断章<Gate>のデータのみ公開し、魔法戦により理央に憑依している断章を回収できると説明してください。
まだ断章<Holy>を回収できていない場合、魔法戦に勝利すれば断章<Gate>と共に回収したこととする。

●マスターシーン「消えていく壁」

クライマックスフェイズまでに異境にたどり着けなかった場合、4サイクルのリミットが終了した時点で発生する。
PCの身近にある通信機械が自動的に「次元の扉」のサイトにアクセスしてしまう(ブラウザーが立ち上がり、サイトが表示される。スマホなどの場合は通知音が鳴ってPCに知らせるといい)。
PCが確認すると、画面から強い光が「溢れ出る」。サイトの内容が見えなくなり、代わりに光をまとった何かが画面から「出てきた」。
それが断章<Heaven>だった。眩しい光でPCを包み込むと、他の断章を呼びよせて融合し、禁書としてPCに魔法戦を挑む。そのままクライマックスフェイズへ移行してください。
※禁書の呪圏は異境と同じように、「推しキャラの世界」が映し出されるので、光と共に景色が現実に「溢れ出る」ように描写してもいい。




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◆クライマックス

禁書<Holy Gate of Heaven>との戦闘がクライマックス戦闘になる。クライマックスフェイズに突入した時点で以下のように分岐する。

●異境内にいて、且つ「異境」の秘密を獲得できた場合

PCが断章<Heaven>に魔法戦を挑むことができる。挑まれた断章はPCが所持している断章と融合し、禁書になる。PC先攻の禁書戦を行う。

●異境内にいて、「異境」の秘密を獲得できなかった場合

断章<Heaven>が現れ、PCが集めた断章を奪い禁書に融合する。禁書はそのままPCに魔法戦を挑む。先攻は禁書になる。
※すでに断章から剥奪した魔法や一時的魔力はそのままPCが獲得している。

●異境にたどり着けなかった場合

マスターシーン終了後、現実世界(人界)にて禁書戦を行う(そのため、世界法則は適用されない)。先攻は禁書になる。


また、ハンドアウト「推しキャラ」の秘密を獲得できなかった場合、禁書が【精霊召喚】に成功すれば、推しキャラの姿をした精霊が禁書側に召喚される。推しキャラの言動に関しては【推しキャラについて】の項目を参照してください。精霊が消滅や破壊されたら、推しキャラの姿は幻だったかのように呪圏から消えるだろう。
PCが秘密を獲得し、【精霊召喚】を剥奪した場合、戦闘開始の時に精霊は自動的に召喚されるが、どのように演出するかはGMに任せる。


◆エネミーデータ

●断章<Holy>

攻撃2 防御2 根源2 魔力4
領域:歌 特技:《微笑み》
【墓標】 装備 P164 (禁書魔法)

●断章<Gate>

攻撃3 防御1 根源2 魔力4
領域:闇 特技:《微笑み》《深淵》
【奈落門】 召喚 《深淵》  P124 (外典)
【遭遇】  呪文 《微笑み》 P120 (訪問者)

●断章<Heaven>

攻撃2 防御3 根源3 魔力4
領域:力 特技:《円環》《(推しキャラに因んだ特技)》
【精霊召喚】 召喚 《(推しキャラに因んだ特技)》 P97
【回帰】   召喚 《円環》 P100

●禁書<Holy Gate of Heaven>

攻撃3 防御3 根源3 魔力12
領域:歌 特技:《円環》《微笑み》《深淵》《(推しキャラに因んだ特技)》
【精霊召喚】 召喚 《(推しキャラに因んだ特技)》 P97
【回帰】   召喚 《円環》  P100
【奈落門】  召喚 《深淵》  P124 (外典)
【遭遇】   呪文 《微笑み》 P120 (訪問者)
【墓標】   装備       P164 (禁書魔法)

※【遭遇】は断章や禁書に使われることはないが、フレーバーとして持たせている。
※PCの成長によって禁書が弱いと感じた場合、断章〈Heaven〉と禁書の魔力を調整してください。


◆NPCの願い

中条理央:推しキャラに会いたい
推しキャラ:自分がいる世界(異境)を楽しんでほしい

※理央は二次元に行くことに固執しないので、なんらかの方法でPCが人界で推しキャラに会わせることができた場合でも願いは叶う。




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◆エピローグ

●異境で禁書を回収した場合

魔法戦が終わると、PCの目の前には「推しキャラ」が立っていた。「もう帰るのか?」と、どこか確信めいたように尋ねる。PCがどのように返事しても引き留めたりはしないが、「少しでも楽しんでくれたのなら嬉しい」などと言って別れを告げるだろう。
禁書が異境に行き来するための読路であるため、PCはそのまま人界へ帰還することができる。
現実に帰ったPCがふと(異境へ向かうときに見ていた)画面に目を向けると、表示されているはずの「次元の扉」のサイトは消えていた。ブラウザには「404 Not Found」とだけ表示されている。
サイトにまつわる騒動はこれにて一段落になるだろう。後日、〈大法典〉からPCへ回収した禁書を差し出すように命令が下るが、それはまた別の話。
※理央から聞いた話では推しキャラに「家に帰りたいか?」と聞かれるが、禁書が回収されたため異境を維持できなくなり、PCが帰ってしまうのは確定事項だと推しキャラが気づいたので、質問を変えた。また、PCが「いいえ」と答えても異境に残ることができない。
※推しキャラが別れの挨拶を言ってくれるようなキャラではない場合、GMが適宜に演出を変更してください。
※推しキャラがアンカーになった場合、終了フェイズで消去してください。

●異境にたどり着けなかった場合

魔法戦を終え、禁書の呪圏が解ける前に「推しキャラ」が突如姿を現した(精霊として召喚された場合は、そのままPCのところまで歩いて来る)。目の前の風景と相まって、まるで推しキャラのいる世界に訪れたようだ。
「ここを楽しんでもらう時間はないようだが、会えてうれしかった。気を付けて帰るように」とPCに告げると、推しキャラは周りの景色と共に消えていく。気づけば呪圏は解け、PCは元いた場所に立っていた。
以降、異境から帰ってきた場合と同じ展開になる(「次元の扉」のサイトは消え、禁書は大法典に回収される)。
※推しキャラとの別れは、そのキャラの性格に応じてGMが適宜に演出を変更してください。

●理央に憑依している断章を回収できなかった場合

理央に運命変転が一回発生する(大法典からの回収依頼ではないが、基本ルールブックP150の「封印結界」と同じ処理になる)。

●禁書回収を失敗した場合

禁書は再び断章に分割し、「次元の扉」を通して愚者を異境に引きずり込むことになる。後に禁書の存在を知った大法典は改めて回収するように分科会を派遣するだろう。
※PCが死亡から復活できなかった場合、異境から人界に帰されてから消滅することになる。




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◆ハンドアウト

●中条理央(なかじょう りお)

あなたと同じジャンル、同じキャラが好きな友人。これから推しキャラに会いに行くらしい。
【秘密】
断章<Holy>に憑依されている。どうやらサイト「次元の扉」にアクセスしたときに憑依されたようだ。
○PCはプライズとして断章<Holy>を獲得する。
○断章<Holy>
攻撃2 防御2 根源2 魔力4
領域:歌 特技:《微笑み》
【墓標】 装備 P164 (禁書魔法)


●次元の扉

青空に漂う白い雲の背景のシンプルな二次創作サイト。「推しキャラの名前」の入力欄がある。
【秘密】
断章<Gate>に憑依されている。この断章は一方通行の読路である。他の断章の宿主がサイトに推しキャラの名前を入力した場合、禁書が作り出した異境まで連れ去られ、閉じ込められてしまう。
○3サイクル目終了までに秘密を獲得した場合、PCはプライズとして断章<Gate>を獲得する。また他の断章を所持している場合、サイトに推しキャラの名前を入力することで異境へ移動できる。
○3サイクル目終了までに秘密を獲得できなかった場合、マスターシーン「狙い定める」が発生する。
○断章<Gate>
攻撃3 防御1 根源2 魔力4
領域:闇 特技:《微笑み》《深淵》
【奈落門】 召喚 《深淵》  P124 (外典)
【遭遇】  呪文 《微笑み》 P120 (訪問者)

※読路については基本ルールブックP181~182をご参照ください。


●推しキャラ

友人とあなたの推しキャラ。異境に存在し、言動が本人に見えるが…。
【秘密】
禁書が作り出した幻であり、本人にもその自覚がある。異境での暮らしを気に入っているが、PCと敵対するつもりはないようだ。
○この秘密を獲得したPCは禁書から【精霊召喚】を剥奪することができる。対応する元型はクライマックスフェイズの戦闘が開始するときに召喚される(コストや判定は必要ない)。

※断章から魔法を剥奪する処理と同じため、禁書は【精霊召喚】を使用できなくなる。


●異境

初めて訪れた異境のはずだが、見覚えのある景色は、あなたの推しキャラが住む世界の風景にそっくりだ。
世界法則:不干渉、不安定、領域補正
【秘密】
断章<Heaven>が異境に憑依し、訪れた人の記憶を読み取り景色を構築している。この断章は人界に繋がる一方通行の読路である。
○この断章に魔法戦を挑む場合、即座にクライマックスフェイズに移行し、禁書戦が発生する。
○断章<Heaven>
攻撃2 防御3 根源3 魔力4
領域:力 特技:《円環》《(推しキャラに因んだ特技)》
【精霊召喚】 召喚 《(推しキャラに因んだ特技)》 P97
【回帰】   召喚 《円環》 P100

※異境は封土になっていません。




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◆裏話(ネタバレ)

※シナリオ制作の裏話などです、読まなくてもシナリオを回せます。

「次元の壁」シリーズ第2弾です。前作「推しが次元の壁を越えてきた」の公開から3年ぐらい過ぎましたが、もともと続編を作る予定がなかったので仕方のないことですね…。
今作を思いついたのは去年、「さよならを言いにきた」をタイトルにシナリオを書くという企画を見かけたときでした。なのであらすじでも若干その名残が。ですが(一応)自作の続きなので、できればシリーズっぽいタイトルをつけたいと思い、結局企画のほうは別のシナリオで参加することにしました。

前作から継続して遊べるシナリオにしたいので、当初は初期作成+功績点5点成長済みのバランスを目指したいましたが、初期作成でも問題なくクリアできるので難易度は簡単のほうだと思います。
あと推しに関する「鬱要素」も前作に比べて軽いですね。代わりに友人は犠牲になりましたが…。一応、メインで失敗しすぎると推しキャラと戦うことになる可能性もありますので、鬱要素が全く0ではありませんが、今回はGMによっては推しと共闘することも可能なので、PLが楽しんでくれていたら嬉しいです。

今回は主に「読路」を使ってみたくてハンドアウトを組みました。そして違う世界をつなげる物としてモニターも定番の一つですし、二次創作と絡むなら同人サイトが適切だと思いました。途中で「サイトなら実際に作れるのでは?」と思いついたのであの「次元の扉」のページを作りましたが、テストプレイでは結構笑っていただいたので作者的にも作って正解でしたなと。ぜひGMの皆さんも活用していただけたら幸いです!

シナリオアンカーの理央も前作からの継続なので、前回と同じくPCの性別に合わせられるように男女どちらでも取れる名前にしたつもりです。気が合う友人になるようにGMとPLが相談して他の設定を決めてくださいませ。

さてこの「次元の壁」シリーズですが、続きは一応構想があります。3部作完!にしたいなと思っていて、次こそは書籍卿と決着をつけたいですね(多分PLの皆さんは書籍卿をボコボコにしたいでしょうし)(そう、前作と同一人物です)。ただ他にも書きたいシナリオがたくさんあって、続編の制作は早くても来年になるかと。また3年が空く、というのは避けたいが、いつかお披露目できたらいいなと、気長にお待ちいただければ嬉しいです。