刀剣乱舞×魔道書大戦RPG マギカロギア

昼餉はつまみ食い厳禁!

Pixiv版(内容はこのページと同じ)


●概要

人数:2人
人数:1人
リミット:5サイクル(5シーン)
レギュレーション:基本ルールブック(大判)使用
推奨PC:第3階梯(HOの設定を適用できれば継続PCも可能)
難易度:普通
※刀剣乱舞の世界観に関する独自の解釈が含まれます

●あらすじ

いつも通り、本丸にて審神者の執務を行っているある日。昼食まであと1時間、今日のメニューは何だろう?と思った矢先に、厨から悲鳴が聞こえてきた――。

●PC共通HO

秘密なし/推奨表の顔:審神者
あなたは刀剣男士を束ねる主である。就任してそれなりに時間が経ち、本丸も数十人が住む大所帯になった。そのため、料理好きな男士を中心に厨当番を設立した。
GMとPLが望むなら、本丸の設定を簡単に相談して決めることができる(本丸にいない刀剣男士や近侍など)。特に指定がない場合、「近侍は初期刀、2017年の時点で鍛刀可能の刀剣がすべて揃っている」の設定とする。
(刀剣男士たちは魔法使いに対してある程度の理解がある設定です)





本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社アークライト」「株式会社新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の二次創作物です。
©河嶋陶一朗/冒険企画局/アークライト/新紀元社
また、本作は「ニトロプラス」が権利を有する『刀剣乱舞-ONLINE-』の二次創作にもあたります。

本作を遊ぶのにマギカロギアの基本ルールブックが必要です。本文中の「ルルブ」「ルールブック」表記は基本ルールブックを指しています。

この先はGMする方のみ読み進めてください。




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◆背景

たまたま万屋の町に迷い込んだ、いたずら好きの2単語禁書<Invisible Trick>は、食材の買い出しに来ていた刀剣男士(堀川国広)の持つ食材に憑依し、そのままPCの本丸までついていった。そうして、誰かを傷つけたいわけでもなく、単に面白がっている禁書は厨で料理をしていた男士に悪戯を仕掛けた。


◆データ

●シーン表

このシナリオはランダムのシーン表を使用しない。調査の場合、ハンドアウトの人物の現在地へ向かうことになるため、対応するシーン描写を用意してある。「展開」にあるシーン表を参照してください。
調査を失敗し、別のシーンで再挑戦する場合、描写を変える必要はないが、魔素の発生はなくなる。

●運命変転

このシナリオにおいて、運命変転が発生した場合「精神的災厄」表を使ってください。




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◆導入

※PLが本丸に対して詳しい設定を設けている場合、それに沿うように刀剣男士の配役を変更しても構わない。シナリオ中に登場する男士はデフォルトということにしてください。

よく晴れたある日。近侍に手伝ってもらいつつ執務を行っていると、PCはふと小腹がすいたと感じる。時計を見れば昼ご飯まで一時間ぐらいあるが、PCの様子に気づいた近侍は「厨に行けば味見ぐらいさせてくれるんじゃないか?」と提案する。
PCが提案に対して何らかの反応を示したら、厨の方向から悲鳴が聞こえてくる。もしPCが動かないのなら、近侍に「一緒に様子を見に行こう」と提案させる。

厨へ向かえば、「かめきちいいいいい」と泣き叫ぶ浦島虎徹と、彼を宥めようとして困っている燭台切光忠を見つける。事情を聞くと、二振りが昼食を準備している最中、燭台切が浦島に出来上がったばかりの料理を机に運んでもらおうと、料理を乗せたお盆を渡すと、そのお盆ごと料理が目の前から消えてしまった。また、その時に浦島の腕に乗っていて、お盆に触れた亀吉も一緒に消えた。だから浦島はびっくりして大声を上げたとのこと。
※本当は道場にワープしたので、どうやって消えたかと聞かれたら「普通に持っていたはずが、瞬く間になくなっていた」と答えること。

「どうしよう?これって超常現象?幽霊?」と混乱する浦島がPCに聞いてきたその時、PCはふと近くに魔法の気配を感じる。たどってみれば、積まれている食材の間に、断章<Trick>に憑依されたトマトを一つ発見する。
PCは《肉》で判定を行える。成功すれば、断章<Trick>を回収することができる(魔法や魔力の剥奪も行える)。
※この判定に失敗した場合、断章はトマトごと一瞬で消えてなくなる。亀吉のときと同じ現象だと燭台切たちに聞けばわかるだろう。以後メインフェイズで回収判定を行うことができる(詳細は後述)。

もしや料理と亀吉が消えたのも断章のせいなのでは?とPCは気づくだろう。浦島も「亀吉を探してほしい、お願い!」とPCに依頼してくる。近侍は、「本丸にいるみんなに話を聞いてみれば何かわかるかもしれない」と提案してくれるだろう。

GMはハンドアウト「浦島虎徹」、「堀川国広」、「御手杵」、「三日月宗近」公開してください。シナリオアンカーは浦島虎徹で、属性は自由に決めてください。
PCの任務は【消えた料理と亀吉を探し出し、元凶を捕まえる】ことになる。PLから質問がなければ、PCの魔力を決めて、メインフェイズへ進んでください。




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◆展開

●憑依深度

このシナリオに憑依深度は設定されていない。

●断章<Trick>の回収

メインフェイズのシーン開始時、断章<Trick>が未回収の場合、シーン描写や魔素のチャージなどが終わったあと、PCは再び《肉》で判定を行える。成功すれば、断章<Trick>を回収することができる(魔法や魔力の剥奪も行える)。この判定はメインフェイズの間、ドラマと戦闘問わず、1シーンに1回行える。通常の判定同様魂の特技の使用も可能である。
演出としては、PC(と近侍)が移動するたびに、断章がPCたちをからかうために、行き先で憑依されたトマトごと宙に浮くように現れる。断章を回収すればトマトも一緒に回収できるが、失敗したらまた厨のときのように一瞬で消えてしまう。

●ドラマシーンについて

ハンドアウトのあるNPCたちを調査する、もしくは事件を起こすのであれば、下記のシーン表を参照し、シーンを描写してください。ただし、魔素は一度しか発生せず、例えば先に事件を起こした場合、あとで調査しても魔素は発生しない。また、「○/×の魔素が1点発生する」と書いてある項目は、PLがその二つの領域から好きなほうを選んで、その領域の魔素を1点のみ獲得できる。
調律の場合、厨、馬小屋、道場、畑へ再訪することもできるし、本丸内にある施設であればPLから他の場所を指定してもらってもかまわない。シーン表にない場所を初めて訪問した際は、PLに1D6を振らせて、出目に対応する魔素が発生する。

●シーン表

浦島虎徹:「厨。厨当番たちが今日の昼餉を準備している。すでに出来上がった料理もあって、香ばしい匂いが食欲をそそる。力/夢の魔素が1点発生する。」
堀川国広:「馬小屋。馬当番たちが出陣していない馬たちの世話をしている。堆肥にするために、馬糞も集めているようだ。獣/闇の魔素が1点発生する。」
御手杵:「道場。手合わせ当番の者や、非番にも関わらず戦好きな刀剣男士たちが鍛錬に勤しんでいるため、熱気に満ちあふれている。星/力の魔素が1点発生する。」
三日月宗近:「畑。様々な野菜や季節の果物が植えてあり、実った作物は色とりどりでどれも美味しそうに見える。星/夢の魔素が1点発生する。」




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◆クライマックス

断章<Invisible>に魔法戦を挑むと、それは御手杵から剥がされ、断章<Trick>と融合し元の禁書<Invisible Trick>の姿を取り戻す。魔法戦の相手はこの禁書になる。
禁書は道化師の恰好をする人型の姿で現れて、手品に使用する道具を操ってPCに攻撃を仕掛ける。

●メインフェイズで断章<Trick>を回収できなかった場合

憑依されたトマトは犠牲になって、禁書と一緒に封印されてしまう(道化師に食べられてしまうなどの演出も可能)。


◆エネミーデータ

●断章<Invisible>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6
領域:夢 特技:《幻》
【魔剣召喚】 召喚 《幻》 P97
【消去】 装備 P121 (訪問者)

●断章<Trick>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6
領域:獣 特技:《怒り》《嘘》
【衝動】 呪文 《怒り》 P120 (訪問者)

●禁書<Invisible Trick>
攻撃3 防御3 根源3 魔力12
領域:夢 特技:《怒り》《嘘》《幻》
【魔剣召喚】 召喚 《幻》 P97
【衝動】 呪文 《怒り》 P120 (訪問者)
【消去】 装備 P121 (訪問者)


◆NPCの願い

浦島虎徹:亀吉を連れて、兄ちゃんたちと一緒に美味しい昼餉を食べたい
堀川国広:兼さんが内番をサボらないようにしてほしい
御手杵:昼餉を食べて出陣したい
三日月宗近:大好物の野菜を使った料理を食べたい

※NPCを別の男士に置き換えする場合、GMが適宜に変更して構わない。




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◆エピローグ

禁書のことに気づいてなかった御手杵(やほかの男士)は、何が起きたかもわからずに首をかしげるだろう。亀吉を浦島に届けていなかった場合、一段落したところで亀吉が近寄ってくる。亀吉を浦島へ届ければPCの任務は達成だ。

PLから特に希望がなければ、PCが刀剣男士たちと一緒に昼ご飯を食べる場面でセッションを終わらせるといいだろう。その際、ワープした料理を食べてしまった御手杵は、厨当番が改めて作ってくれた昼餉のおかずを食べさせてもらえない光景を目にするだろう。

●禁書に敗北した場合

禁書<Invisible Trick>は楽しそうに笑うと、すっと姿を消す。本丸のどこかに再び潜んでしまったようだ。PCがそれを見つけ出して回収するまで、様々ないたずらが刀剣男士たちの身に降り注いでしまう。




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◆ハンドアウト

●浦島虎徹

脇差。今日の厨当番の一人。目の前で料理とともに亀吉が消えてしまい、ショックを受けている。
【秘密】
断章に憑依されてはいないが、魔力の残滓を感じ取れる。断章に憑依された物に直接触れたことがあるようだ。しかし断章はすでに厨から姿を消している。


●堀川国広

脇差。今日の馬当番の一人だが、今朝昼餉に使う食材の買い出しに出かけていた。
【秘密】
断章に憑依されてはいないが、魔力の残滓を感じ取れる。断章に憑依された物をどこかに運んだことがあるようだ。しかし断章は馬小屋の中にはいない。


●御手杵

槍。今日の手合わせ当番の一人で、朝餉以降ずっと道場に入り浸っている。
【秘密】
断章<Invisible>に憑依されている。この断章に魔法戦を挑めば、クライマックスフェイズに突入することになる(魔法戦を挑むのにメインフェイズでの手番消費はなし)。
どうやら厨から道場にワープした料理を差し入れと勘違いして食べてしまったようだ。一緒に姿を現した亀吉に疑問を覚えつつも、保護して道場の隅で休ませている様子。
○断章<Invisible>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6
領域:夢 特技:《幻》
【魔剣召喚】 召喚 《幻》 P97
【消去】 装備 P121 (訪問者)


●三日月宗近

太刀。今日の畑当番の一人。大好物の野菜が、いつ食卓に出されるかを予想しながら楽しく収穫している。
【秘密】
生でも食べられる野菜を味見と称して、少しつまみ食いをしてしまった。厨当番に知られたら怒られそうだ。




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◆裏話(ネタバレ)

※シナリオ制作の裏話などです、読まなくてもシナリオを回せます。

このシナリオは完全に「せっかく拙作の『お団子一ついかが?』で審神者PCを作ってもらったのに一回だけで終わるなんてもったいない!」という思いから、継続PCで遊べるように作ったものです。ただ難易度はそこまで難しくないので、単体でも遊べます(なので続編ではありません)。

前回の舞台は万屋だったので、今回は本丸に。しかし魔法使いが審神者を務める本丸がそう簡単に侵入されるなんて、能力やセキュリティーに問題がありすぎるのでは…?という疑問もあって、今回は比較的に平和(?)な禁書に来てもらいました。雰囲気もほのぼの・ギャグっぽくして、楽しく笑ってもらえたらいいなと考えながら書きました。テストプレイではGMのほうがたくさん笑わせていただきましたけれどね…!

このシナリオは断章のありかさえ突き止めれば、残りの秘密は調査しなくても問題ないので、進み方によってはあっという間に終わってしまいます。ただ他の秘密も見たほうが事件の経緯がわかるのと、RP好きな方なら刀剣男士たちとたくさん会話することもできるので、ぜひPLさんに本丸内を回って調査してほしいですね。その分卓の日程が延びますが……

今回の刃選は(とうらぶシナリオには必ず一振りは登場させる私の推しキャラも含めて)ハンドアウトや秘密に書かれた行動をしそうな男士、という基準で選ぶことにしたので、割とすんなり決まりました。三日月さんだけは本丸ごと結構イメージが違うのかなとも思いましたが、花丸のようなお茶目だけど年長者な三日月さんが好きなので……今回はこちらを採用しました。

余談ですが、シナリオを書き始めたときの仮タイトルは「本丸厨防衛戦線」でした。でも上にも書いたようにほのぼのな雰囲気を出したいので、少し可愛くして今のタイトルになりました。前作と合わせて両方とも食べ物関連になりましたが……おそらく「男士たちに美味しいごはんをいっぱい食べてほしい」という私の願望がシナリオに反映されたのでしょうね!男士たち、戦場にいない間は刃生を楽しんでほしいもの。