神話創世RPG アマデウス
プレイヤー人数:2人
リミット:2サイクル(4シーン)
想定プレイ時間:テキセ6~7時間
推奨レベル:1
レギュレーション:基本ルルブのみで遊べます
難易度:初心者向け
平和だった街に突然異変が起きた。
住人が皆すべての気力をなくしたように動かなくなり、
ついには眠ったまま起きなくなる人まで現れた。
どうやらすべては、街中で流れた一曲から始まったようだ…。
※初心者向けシナリオのため推奨サンプルキャラを記載しているが、キャラ作成の制限は特にない。
○PC1
推奨サンプルキャラ:「天翔る光明」(アポロン/伝説の子)
あなたは親神から予言を授かった。
「〈絶界〉に流れる美しい音楽が災いをもたらし、人々は生きる気力を失ってしまう」
それは許されるべきことではないと、親神は憤った。
あなたの【任務】は、「〈絶界〉に発生した神話災害を止める」ことだ。
○PC2
推奨サンプルキャラ:「癒しの黒猫」(バステト/獣の子)
あなたは夢を見た。作曲家志望の友人「信楽 徹」が、あなたに助けを求める夢だ。
彼が住む碧浦町が〈絶界〉と化した知らせは、その後親神からあなたに届けられた。
あなたの【任務】は、「〈絶界〉に囚われている友人を助ける」ことだ。
本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『神話創世RPG アマデウス』の二次創作物です。
©河嶋陶一朗/冒険企画局/KADOKAWA
本作を遊ぶのにアマデウスの基本ルールブックが必要です。本文中の「基本ルルブ」表記は基本ルールブックを指しています。
この先はGMする方のみ読み進めてください。
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このシナリオの目的は、オルフェウスの「リラ(竪琴)」が引き起こした神話災害を解決することだ。クライマックスでは、ひとりでに音楽を奏でるリラとの戦闘を想定している。
ギリシャ神話では、オルフェウスが死んだ妻を取り戻すために、リラを携えて冥界へ向かった。彼が奏でる音楽は冥界の人々や番犬のケルベロス、果ては冥王ハデスすら心を揺さぶられたという。彼のリラはのちに星座の「こと座」にされたのであった。
碧浦(あおうら)町には、作曲家志望の青年「信楽 徹(しがらき とおる)」が住んでいる。彼を支え、一番に応援していた母親は、不幸にも少し前に病によって命を落とした。ひどく落ち込んだ徹は母親のために一曲を作り、捧げようとしたが、悲しみの他に「生き返ってほしい」という願いも無意識に曲に込めた。
ところがある日、まるで徹の願いに引き寄せられたように、彼は知らないうちに1つの「リラ」を手にして、神話災害を引き起こすメロディーを奏ではじめた。美しい音色で敵意を取り除くはずのリラは、人々の生きる気力さえも奪ってしまい、気がつけば碧浦町は〈絶界〉と化してしまった。
このままでは、碧浦町の住民は全員永遠の眠りについてしまうのだろう。神子たちは町と、そして徹を助けるために、音楽を奏で続ける「リラ」を止めなければならない。
※「リラ」を徹に与えた「黒幕」はどこかにいるが、本シナリオを執筆している時点では詳細は未定。もし続編やキャンペーンを書くことがあれば、そちらで語られるかもしれない(現時点でその予定もまだありませんが)。
※オルフェウスの神話については彼の名前か、「冥府くだり」を検索すれば詳しい話が読める。
このシナリオは〈絶界〉と化した「碧浦町」を舞台にしているが、他の町に舞台を移しても構わない。
PCまたはPCの親戚、友人が住んでいる町、もしくはよく遊びに行く町を舞台にして、さらに緊迫した状況を作り出すことも可能だ。
これ以降、※から始まるのはGM情報とする。
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初心者向けに推奨サンプルキャラクターを記載しているが、基本的にPC1は調査、PC2は交流することが求められる。また、2人とも攻撃手段があるのが望ましい。
PC2が獣の子の場合、「信楽 徹」を主人の友人にしても構わない。
サンプルキャラクターのデータが基本ルルブと異なる場合、どちらを採用するかはGMにお任せするが、「癒しの黒猫」の属性はおそらく誤植なので修正してください。
推奨サンプルキャラ:「天翔る光明」(アポロン/伝説の子)
【暗示】
あなたは親神から予言を授かった。
「〈絶界〉に流れる美しい音楽が災いをもたらし、人々は生きる気力を失ってしまう」
それは許されるべきことではないと、親神は憤った。
あなたの【任務】は、「〈絶界〉に発生した神話災害を止める」ことだ。
【真実】
親神はこの件の元凶に心当たりがあるようだが、まだ確証を持てない様子だ。もう少し情報が集まれば、詳細を話してくれるだろう。
この【真実】が公開されると、決戦フェイズの開始時に脅威「不思議な音色」が公開される。また、好きなインガを3つ配置することができる。
【トリガー】
自分以外の【真実】が2つ公開された。
※「PC2」、「信楽徹」、「エレジー」の中から、【真実】を2つ公開できればトリガーが満たされる。
推奨サンプルキャラ:「癒しの黒猫」(バステト/獣の子)
【暗示】
あなたは夢を見た。作曲家志望の友人「信楽 徹」が、あなたに助けを求める夢だ。
彼が住む碧浦町が〈絶界〉と化した知らせは、その後親神からあなたに届けられた。
あなたの【任務】は、「〈絶界〉に囚われている友人を助ける」ことだ。
【真実】
夢には続きがある。助けを求めていた友人は、突然何者かに操られたように襲い掛かってくる。そして、奇襲されたあなたをかばって、PC1が重傷を負ってしまうのだ。
この【真実】を公開しなければ、冒険フェイズの終了時にPCたちは信楽徹に襲撃され、怪我を負う。そうなったら、黒の領域にインガが2つ配置される。
【トリガー】
あなたのPC1に対する【想い】が上昇した。
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最初に個別導入を行う場合、PCたちの予言に合わせてGMが描写してください。それぞれの神子に親神が任務を告げるシーンにすれば質疑応答もできるだろう。
以下は想定される個別導入の一例である。
・PC1がいつも通りに日常を過ごし、家に帰ると親神が現れて予言を告げた。
・PC2は寝ている間に予言の夢を見て、目が覚めると親神が目の前にいた。
どちらも、PCが親神から「後に万神殿から招集されるから準備しておくように」と告げられたら、シーンを閉める。
予言を授かったPCたちは、その後すぐに万神殿に招集される。世界的なコーヒーチェーン「カカオ」へ向かい、カウンターでソーマやネクタルなど神々の飲み物を注文すると、スタッフが奥にある万神殿に通してくれる。
※「カカオ」や万神殿については必要に応じて、基本ルルブP299~300を参考に説明を加えてください。スタッフについても同じ項目を参照し、GMが自由に設定しても構わない(テストプレイではヘルメスの神子がスタッフとして登場した)。
万神殿の一室に案内された神子たちは、スタッフから以下の説明を受ける。
・神子たちが授かった予言の通り、碧浦(あおうら)町に〈絶界〉が発生し、神話災害が起きている
・〈絶界〉内の一般人はほとんど気力をなくして動かなくなり、眠ったまま起きなくなった人も確認されている
・碧浦町が〈絶界〉と化した直前に、聞いたことのない曲が町全体に流れたと報告があった
・今でも断続的に曲が聞こえるらしいが、〈絶界〉内の調査が困難のため、直接確認してもらうしかない
このまま神話災害が進行すれば、碧浦町の住民は永遠の眠りについてしまう。そうすれば、町全体は〈魔界〉になってしまうのだろう。神子たちにはそれを阻止してほしい、とスタッフは依頼する。
PCたちが承諾すれば、碧浦町まで送るので準備してほしい、とスタッフは告げる。出発する前に、これから「運命共同体」になるPCたちに自己紹介をさせるといいだろう。
導入の最後に、「活力の決定」及び「冒険の準備」を行ってください。その後、PCたちは碧浦町の近くにある「カカオ」まで案内され、〈絶界〉へ赴くことになる。
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全ての予言を公開するためには調査を2回と、交流を1回成功する必要があるため、判定をすべて成功した場合最後のシーンが余り手番になると想定している。いずれかの判定に失敗した場合は再挑戦が可能であり、そうでなかった場合(特に初心者には)GMは冒険シーンにできる他の行動をPLに説明してください。
また、初心者には冒険フェイズが始まる前にギフト「親神の恵み」について説明するといいだろう。推奨のサンプルキャラクターを使用する場合、親神の権能は調査や交流にも使えるはずだ。
PCたちの【真実】が公開される際、GMは以下の描写を加えてください。
○PC1の【真実】
PC1は親神から「今回の神話災害は、ギリシャ神話に登場する楽器で奏でられた音楽によって引き起こされたものであり、音楽そのものが攻撃手段である」と教えられる。ギリシャ神話では、吟遊詩人のオルフェウスが死んだ妻を取り戻すために「リラ(竪琴)」を携えて、冥界へ向かった。彼の音楽は冥界の住人の心を揺さぶり、番犬をも無力化したそうだ。
「『大事な人を失くした』ことに共鳴したのだろう。だが今回の神話災害では住人が無力化されるどころか、生きることすらままならなくなっている」と親神は話す。「惑わされないように対策を講じておくといい」と忠告もしてくれるだろう。
※「エレジー」の【真実】効果は対策に含まれている。
※この話はオルフェウスの「冥府くだり」をベースにしている。シナリオに記載した情報があれば十分だが、詳しく知りたいPLがいれば各自検索してもらっても構わない。
○PC2の【真実】
PC2は親神から「襲撃は避けられないが、それを予知できたことで先の展開を変えられる」と教えられる。詳細は当該マスターシーンが発生したときに説明するとPLに告げてもいい。
冒険フェイズが始まった直後、マスターシーン「不思議な音色」が発生する。
冒険フェイズが終了するときに、マスターシーン「奇襲」が発生する。
1:美しいメロディーが聞こえるが、だんだんと気力と精神が削られていくような気がする…。【霊力】で判定を行う。失敗すると、1点のダメージを受ける。
2:営業している店を見つけるが、店員がどこにもいないし、客の姿もなかった。
3:あたりが不自然なほどに静かだ。出歩いている人はいないようだ。
4:公園のベンチに座って、ただぼーっと空を見上げている一般人を発見した。いつからここにいるのだろう?
5:木の上で小鳥たちが身を寄せ合って眠っている。これも神話災害の影響だろうか?
6:〈絶界〉の中でも自販機は動くようだ。ここでエネルギーを補給しよう。【霊力】で判定を行う。成功すると、【生命力】が1点回復する。
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冒険フェイズが始まった直後に発生する。
「カカオ」を経由し、〈絶界〉にたどり着いた神子たちは、静けさに包まれた碧浦町に出迎えられる。出歩く住民はほとんど居らず、たまに見かける人たちは皆その場に座り込んでおり、ぼーっと虚空を見上げている。
PCたちが町の被害状況を確認していると、ふいに聞き覚えのないメロディーが町中に流れた。それが例の曲だろうと気づき、音の発生源を追えば、住宅街にある一軒家にたどり着く。表札には「信楽」と書かれており、PC2はここが信楽徹の家だと知っている。
窓から覗き込めば、徹の姿を確認できる。町の住民と違って、普段通りに過ごしているようだが…。
GMはシーンの終わりに、「信楽徹」の予言を公開してください。
※徹は自由に行動できるため、冒険フェイズではシーン表に合わせて外出させることが可能。ただし、「町の様子がおかしい」と感じることはない。
冒険フェイズが終了するときに発生する。
PCたちの目の前に「信楽徹」が現れる。楽器は所持しておらず、何か言いたげな表情を浮かべて近づいてくる。
○PC2の【真実】が公開された場合
PC2はこの光景に見覚えがある。夢で見た、徹が助けを求める振りをして襲撃してくる場面だ。事前にPC1と共有できたおかげで、徹が行動する前に彼を取り押さえることができる。
※演出はPLの希望に沿うようにして構わない。徹を取り押さえず、単に攻撃を回避しただけでも問題ない。
○PC2の【真実】が公開されなかった場合
徹がPCたちのもとへと向かいながら「助けて…」とつぶやく。だが、途中から目が虚ろになり、まるで操られたように突進してくる。とっさのことで、PC2はかろうじてPC1に庇われて奇襲を避けることができるが、PC1は徹の異常ともいえる怪力で吹っ飛ばされて怪我を負ってしまう。
PC1の【生命力】が1D6点減少する。また、PC2の【真実】にあったように、黒の領域にインガが2つ配置される。
※この処理に対してアイテムの受け渡し・使用をPLが希望する場合は、ダメージが適用される前に実行してもいいこととする。
(成否にかかわらず)徹は襲撃を試みたあと、突然糸が切れた操り人形のように倒れこむ。彼にまとわりつく「絶望の闇」の気配が急速に濃くなっていく。それに伴い、〈絶界〉の中に流れる不思議な音楽はだんだんと音量が増していき、「音」そのものが神子たちに襲い掛かる。
神子たちは神話災害を阻止するために、自身の気力をも奪おうとするメロディーに抗い、元凶の居場所へ向かわなければならない。これは危険な旅になる。
PCたちは「危険な旅」の判定を行ってください。失敗した場合、後述の試練表を使用すること。
危険をかいくぐってたどり着いた先は、丘の上にある町を一望できる高台だった。神子たちはそこで神話災害を引き起こした元凶を見つける。
決戦フェイズに移行する。
○試練表(1D6)
1:流れる音楽を聞いていると、体から力が抜けて、何もない道で転んでしまう。1D6のダメージを受ける。
2:一瞬、めまいを覚えて躓きそうになる。どうにか意識を保って怪我は免れたが、神貨をいくつか落としてしまった。1D6の神貨を失う。
3:気を緩めれば、意識を手放しそうだ。町の住人みたいに動けなくなるのだろうか、と恐怖を覚えた。「臆病2」の変調を受ける。
4:流れる音楽に気力が奪われていく。このままでは敵にたどり着く前に力尽きてしまう。自分を奮い立たせるために、【愛】で判定を行う。失敗すると、1D6のダメージを受け、「絶望」の変調を受ける。
5:頭に例のメロディーが絶え間なく鳴り響き、まるでそれに支配されたようで息苦しさを覚えた。【生命力】を2点減少し、黒の領域にインガを1つ配置する。
6:気づけば同じ場所をぐるぐると回っていた。迷子になりそうだ。黒以外の領域から好きなインガを2つ取り除き、もう一度試練表を振る。
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危険な旅を終えた神子たちは、倒すべき敵と相対する。
丘の上には竪琴に似た楽器――「リラ」が、演奏者もなくひとりでに例の楽曲を奏でている。この曲が流れている限り、町の住民は「絶望の闇」に包まれ、生きる気力を奪われ続けるだろう。〈絶界〉と化した碧浦町を救うためには、「リラ」を撃破し演奏を止めなければならない。
「リラ」との戦闘に入る。戦場は平地とする。
PC1の【真実】が公開された場合、脅威「不思議な音色」を公開する。
パラグラフ1:魅了(基本ルルブP278)
パラグラフ2:衝撃波(基本ルルブP274/改変)
パラグラフ3:不思議な音色(基本ルルブP279「吠え声」の改変)
○本体:リラ
Lv3 属性:緑
タグ:魅了、音、精神
古代ギリシャなどで使われていた、竪琴のような弦楽器。音楽を奏で続けている。
攻撃値2 生命力25 防御値3
効果:【無機物】本体に対する攻撃のダメージが半減する(端数切り上げ)。
【調律】緑の覚醒段階1つにつき、脅威「衝撃波」の威力が1上昇する。
○パラグラフ1:魅了
基本ルルブP278参照
○パラグラフ2:衝撃波
基本ルールブックP274のデータを以下のように改変してください:
Lvを1にし、耐久度を8に変更する。【衝撃】の効果を以下のように変更。
【衝撃】この攻撃でダメージを受けた者の領域にあるインガを1つずつ取り除く。
○パラグラグ3:不思議な音色
基本ルルブP279「吠え声」参照。説明文のみ以下に変更してください。
「リラが奏でるメロディーは、気力を奪っていく。思うように体が動けなくなり、焦りを覚える。」
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基本ルルブP256に書かれた「強制終了」の処理を行ってください。
PCたちに敗れた「リラ」の弦は切れてしまい、音楽を奏でられなくなる。その直後、誰かに掬われたように、楽器そのものが空高く昇っていく。
※星座にされたことに因んだ演出だが、別の黒幕がいる示唆として使うことも可能。
その姿が完全に見えなくなると、今まで不自然なほど静かだった町の空気が揺れたのをPCたちは感じる。丘から見下ろせば、ゆっくりとではあるが動き出した住民たちの姿を確認できる。その光景を目にして、PCたちは〈絶界〉の消滅を知り、任務を達成したと理解するだろう。
住民の中には信楽徹の姿もある。徹に会いに行けば、「まるで長い夢を見ていたようだ…」と、今までのことは朧気な記憶しか残らない。だが、助けを求める自分の声に神子たちが応じてくれたことを覚えており、感謝の言葉を伝えるだろう。
碧浦町の住民は数日もすれば元通りに生活を送ることができる。信楽徹も、悲しい気持ちはすぐに受け入れられないが、母の分までこれからの人生を精一杯生きていくことだろう。
その後のエピローグはGMとPLが相談し、自由に描いてください。親神に報告すれば喜んでくれるし、万神殿のスタッフからは労いの言葉をかけられるだろう。
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初期から調査可能な【予言】は「PC1」、「PC2」、「信楽 徹」の3つになる。
「信楽 徹」の【真実】が公開されたら、「エレジー」の【暗示】が公開される。
【暗示】
大学一年生。作曲家志望の青年。いつもアコースティックギターを手に好きなメロディーを奏でている。
〈絶界〉でも普段通りに生活していて、神話災害の影響を受けていない様子。
【真実】
彼の夢を一番に応援していた母親は、少し前に病によって命を落とした。徹が亡き母に捧げるために作った曲が、町中に流れるメロディーの正体だ。しかし、楽曲自体に神話災害を引き起こすほどの力はないはずだ。
この【真実】が公開されると、好きなインガを2つ配置することができる。また、「予言:エレジー」が公開される。
【トリガー】
いつでも公開できる。
【暗示】
亡き母のために信楽徹が作った楽曲。夢を応援してくれたことに対する感謝と、彼女が亡くなったことを悲しむ気持ちが込められた一曲である。
この曲が流れると、人々は生きる気力を奪われてしまうようだ。
【真実】
悲しみとともに、徹は無意識に母に「生き返ってほしい」という気持ちを曲に込めたようだ。元凶――楽器の「リラ(竪琴)」は徹を操り、町の住民に向けて曲を演奏させ、神話の一節を(だいぶ間違った形で)再現しようとしている。
この【真実】が公開されると、黒のインガを1つ好きな領域に移動することができる。また、戦闘中、PC全員の「脅威」へのダメージが2点上昇する。
【トリガー】
PCのいずれかの領域の覚醒段階が2段階目になる。
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※シナリオ制作の裏話などです、読まなくてもシナリオを回せます。
アマデウスのシナリオ、今回で3作目になりました。思いついた話をとりあえず書いてみたい!の1作目、サクッと遊べて回しやすいものを目指した2作目を経て、今回は初心者に布教するために書くことにしました。というわけで、データや用語などはできる限りルルブを参照しましたので、布教の役に立てれば幸いです。
別システムのシナリオでも「冥府くだり」をモチーフにしたことがありますが、ギリシャ神話の中でも有名な話かな?と思っているのと、個人的に音楽が好きなのでオルフェウスという人物に関心があるというのもあります(「オルフェウス」呼びなのは、某ゲームの影響が大きいですが)。
まあそのせいでエネミー…どうしよう…?にはなりましたが。結局「リラ」自体が動けるようにしました。星座にもなったし多少不思議パワーがあってもいいでしょう、ご都合ご都合。アマデウス的には、このリラも本物というよりは「影霊」に近いものだと作者は考えています。
ちなみにタイトルですが、徹が母を亡くしたことと、住民が生きる気力を失くしたこと、その両方の「亡失」に関わる楽曲が「エレジー」でした。直球でしたね…。
推奨サンプルキャラも設定しましたが、真っ先に使われるであろうゼウスやヘラの子よりも、あえてこの二人にしてみました。一応今回のストーリーにも合わせたチョイスなので、初心者さんにも楽しんでいただけたらいいな~と願っています。アマデウス人口よ増えよ~!あわよくば私もPLしたいです(本音)。
シナリオの概要にも書きましたが、キャンペーン1話目としても機能するように書いたにもかかわらず、続編をまだ一切考えていません。いつか思いついたら書きたいな、とふんわりとした願望を抱きつつ、データバランスをいまだによくわかっていないので精進したいと思います。またお目にかかる機会があればよろしくお願いします!