クトゥルフ神話TRPG

祝福のキャロル

Pixiv版TALTO版(内容はこのページと同じ)

◆概要

舞台:現代(任意の国)、クローズド
時間:テキセ2~3時間、ボイセ30分~1時間
難易度・ロスト率:低い
推奨人数:1人
推奨技能:なし
使えるかもしれない技能:芸術(音楽系)、ほかの言語
※サクッと簡単に終わるような謎解き要素があります
※脳筋PCには向いてないと思われます

◆あらすじ

クリスマスイブ。忙しい一日を終えた探索者は家に帰り、いつもより少し早めにベッドに入り、眠りにつくーー。





本作は、「Chaosium Inc.」「株式会社アークライト」「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
©Chaosium Inc./アークライト/KADOKAWA

本作を遊ぶのにクトゥルフ神話TRPGの基本ルールブックが必要です。本文中の「ルルブ」「ルールブック」表記は基本ルールブックを指しています。

この先はKPする方のみ読み進めてください。




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◆背景

どこかの時空の、どこかにある町。その町の人々はパンの大神を崇拝し、供物を捧げることによって大神に守ってもらっている。今まで大神の怒りに触れることもなく、その習慣を続けてきた。

ある日、大神は気まぐれに休暇を取り、姿を消した。願いを叶えてもらえなくなり、人々は焦りを覚え、大神の帰還を願った。そんな中、だいぶ遅くなったが、人々の嘆願に答えるように、探索者は大神の代わりとして連れてこられた。




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◆導入

(以降、=KP情報や補足)

12月24日、クリスマスイブ。忙しい一日を終え、探索者は家へ帰ろうとする。
途中まで道が同じため、友人/同僚(NPC)と話しながら歩いていると、「実際にもらえるかどうかはともかく、サンタさんにお願いするならクリスマスプレゼントに何がほしい?」と聞かれる。
もしNPCに何がほしい?と聞き返せば「1億円とかかな?」と適当に答える。

※KPは探索者の希望をメモしておくこと。KPが許容できると思う範囲でシナリオのクリア報酬としてそれを与える。(どんな風に与えるかは任意。たとえば「金が欲しい」と言われたら、現金でも、割引券を与えてもよし。「健康がほしい」なら、CON+1にするか、探索者の抱えている不定の狂気を1つ消すか、健康関連の本を与えるなどでも可能)

欲しいものを聞いたら、「もらえるといいね。さすがにこの年になってサンタさん云々は言わないけど、たまには健康のためにも早めに寝たら?いい子にしたご褒美になにかいいことも起きるかもしれないね」と言って、探索者と別れる。

家に戻った探索者は、特にやることがなければ、友人の言葉を思い出したのか、0時になる前に眠りにつく。

暫くして、探索者はふと目を覚ます。ベッドに横になったはずが、今は椅子に座っていて、周りを見れば見知らぬ部屋を目にする。突然なことに驚いてSANチェック、0/1D2。




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◆探索

●見知らぬ部屋

正方形の部屋。窓がなく、探索者から見て前方、右と左は壁一面本棚になっており、本がびっしり並んでいる。後ろの壁は真っ白で、天井と床も特におかしいところがない。部屋の中央にある椅子に探索者が座っており、目の前に一つの机がある。

●本棚

本は言語もジャンルもバラバラ。数が多く、探索者がほしいと思う本はどれでも探せば見つけられる(ロールする必要なし)。〈図書館〉を振っても追加情報がない。
※ただし探索中、KPがヒントを出したいときに〈図書館〉や〈アイデア〉振らせることも可能。詳細は【楽譜の束】のKP情報を参照してください。

●机の本

机にある本を開いてみれば、内容は全部楽譜だ。本のページの間に、楽譜を数枚ずつ束にしたものがいくつか挟まれており、それぞれの一枚目に曲のタイトルと思わせるような文字が記されている。楽譜の束は全部で8つある。

●装置のメモ

「暫く留守にする。もし民が供物を捧げたら、このミュージックボックスを使って、僕の代わりに彼らの願いを叶えてあげてください」

●楽譜の束

全8曲。曲ごと、以下のどれか一つでも条件を満たせば、タイトルの意味が分かる:
・タイトルの言語を技能として30%以上所持していれば自動成功
・言語技能が30%以下で技能ロールに成功
・芸術(音楽)または類似する音楽系の技能ロールに成功
・PLにリアル知識がある場合、〈知識〉成功でPCに反映できる
・本棚から該当言語の辞書を探し出し(ロールする必要なし)、使う宣言をすれば自動成功
・ほかに、KPが適切だと思う提案があれば考慮してもよい
※ここでPLが言語や音楽技能のロールに失敗した上、なにも思いつかなかったら、〈アイデア〉や〈図書館〉を振らせて、成功で辞書を差し出すことも可能。

○曲のタイトルは以下の通り:
・Clair de lune(フランス語)
・Feuersinfonie(ドイツ語)
・Liebesträume(ドイツ語)
・L'Inverno(イタリア語)
・Morgenstemning i ørkenen(ノルウェー語)
・Valse des fleurs(フランス語)
・Valse du petit chien(フランス語)
・We Wish You a Merry Christmas(英語)

※各タイトルの翻訳は以下の通り。曲名はどれもクラシック音楽から取ったものだが、ここに記載したのは通称ではなく、原文を言葉のままに翻訳したものだ。日本語での通称などはシナリオの最後の【付録】部分をご参照ください。

・Clair de lune → 月の光
・Feuersinfonie → 火の交響曲
・Liebesträume → 愛の夢
・L'Inverno → 冬
・Morgenstemning i ørkenen → 砂漠の朝の気分
・Valse des fleurs → 花のワルツ
・Valse du petit chien → 子犬のワルツ
・We Wish You a Merry Christmas → よいクリスマスになりますように




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◆人々の願い

一通りの情報を手に入れた、もしくは探索者がミュージックボックスにどれかの楽譜を入れようとする時点で、以下のイベントが発生する。

「大神様……!大神様お戻りになられたのですか!私どもをお助けください……!」
不意に、探索者の後ろから男性の声が聞こえてきた。
振り返ると、真っ白な壁がスクリーンのように、知らない景色を映し出している。すぐ目の前には祭壇が映っていて、質素な服を着ている一人の男性が祭壇に果物を乗せている。彼の背後に町が広がっている。背の低い建物が並び、ところどころ生い茂る緑も目にする。時刻は昼のようで、青空から太陽の光が燦々と降り注いでいる。
※探索者はあくまでスクリーンを見ているだけなので、声は向こうまで届かない。


●一つ目の願い

男性が果物を並べ終わると、祈るように祭壇に向けて言う。
「もう一年も終わろうとしているのに、暑い日が続いています。どうか、大神様、季節を冬にしてくださいませんか?」
○「L'Inverno」を装置に入れれば、楽譜の通りに装置から音楽が流れ出す。再び町の様子を見ると、日差しが弱まり、雪が降りだしたようだ。暫くすると、町は一面の銀世界となった。
男性がその様子を見ると、「ああ大神様!ありがとうございます!ありがとうございます!」と祭壇に頭を下げ、感謝の言葉を叫びながら大喜びして離れていった。
ミュージックボックスの不思議な力を目の当たりにした探索者は驚いてSANチェック、0/1D3。
○その後、祭壇に供えられた果物は忽然と消え、探索者の部屋にある机の上に現れる。
※今後も、願いを叶えたら供物が探索者に送られてくる。供物に特別な効果がないので、例えば食べ物であれば普通に食べることができるし、一種のご褒美みたいなものだ。


●二つ目の願い

少し時間が経つと、また別の男性がやってくる。先ほどの男性よりはいくらか年上に見える。彼が新鮮な野菜を祭壇に供えると、願いを口にする。
「大神様、いつも見守ってくださり、ありがとうございます。あなたがご不在の間、夜が訪れず、お月さまも久しく見かけなくなり、私共は困っております。どうか、夜を授けてくださいませんか?」
○「Clair de lune」を装置に入れれば、スクリーンに映し出された青空が段々と暗くなり、やがて夜空に月が昇り、柔和な光で町を照らしだす。家の明かりが次々と灯っていく。
男性は「大神様!願いを叶えてくださってありがとうございます!」と頭を下げ、笑顔を浮かべながら去っていく。
探索者はミュージックボックスの不思議な能力を正しく認識できたのだろう。SANチェック、0/1。
※三つ目の願い以降は、慣れがあるため、正しい楽譜を使えばSANチェックはなしとする。
○願いを叶えると、探索者に野菜が届く。


●三つ目の願い

次に現れるのは、見た目10歳未満の女の子。彼女は大事に抱えてるヒツジのぬいぐるみを祭壇に置くと、寒そうに腕をさすりながら、願いを告げる。
「大神様、お願いします!とても寒いです、暖かくなるために暖炉に火をつけたいです!お願いします!」
○「Feuersinfonie」を装置に入れれば、火の玉が雨のように降り注ぐ。が、一つずつ精確に家の煙突に落ちいき、暫くすると煙突からゆらゆらと煙が昇っていく。
女の子は「すごい…!大神様ありがとう!」とペコリとお礼をし、走り去る。恐らく暖かい我が家へと戻ったのだろう。
○願いを叶えると、探索者にヒツジのぬいぐるみが届く。


●四つ目の願い

また暫くすると、今度は女性がやってくる。目の下にくまを作って少しやつれている彼女は、ボトルのワインを供えて、また祈るように頭を下げる。
「大神様、お戻りになられてばかりで申し訳ありませんが、どうかまた我らの願いを叶えでくださいませ。先程は、夜にしてくださってありがとうございました。これまでは日差しが強くてよく眠れていませんが、大神様、良い夢を見られる穏やかな眠りもいただけるのでしょうか……」
○「Liebesträume」を装置に入れれば、家の窓から漏れる明かりが次々と消えていく。そして女性はあくびをするとハッとして、「眠気が…」とつぶやく。
「大神様……これもあなたのお力なのですね……!ありがとうございます、これなら今夜はよく眠れそうです……!」と女性はお礼を言うと、寝てしまう前にと足早に離れた。
○願いを叶えると、探索者にワインが届く。


●最後の願い

町が静寂に包まれ、これで仕事も終わりか?と思った頃に、一人のおじいさんがゆっくりと祭壇に近づく。赤い服を着て、白い髭を生やしたおじいさんは、ラッピングしてあるプレゼントを祭壇に置き、話しかける。
「大神様……今年もたくさんのものを与えてくださって、ありがとうございました。わしは今から贈り物を届けに参ります。よければ、大神様も町の皆さんに聖なる夜の祝福を……」
老人はお辞儀をすると、返事を待たずに、町の方へ戻っていく。
○「We Wish You a Merry Christmas」を装置に入れれば、キラキラと光が雪のように街に舞い降りる。そして、どこからともなくベルの音が聞こえてくる。探索者はその音を聞いているうちにだんだんと眠気が増し、意識が暗転する前に、青年の声が聞こえてくる。
「おや、僕の代わりにたくさん頑張ったね。ありがとう。あなたにも聖なる夜の祝福があらんことを」
 →Xmas Endへ



※以下、間違った楽譜を入れたときの処理になります。


●「Morgenstemning i ørkenen」を入れる

町に朝が訪れる。もし「Clair de lune」で町に夜を与える前にこの楽譜を使った場合、特に問題はない。しかし、夜が訪れたあとにこの楽譜を使うと、もう一度夜にしてほしいとお願いされる。しかしもう楽譜がなく、進行不可になるため、後述の【後に使う楽譜を先に使ってしまった場合】と同じ処理を行う。


●「Valse des fleurs」を入れる

町中に花が咲く。ペナルティは特になし。祭壇の前にいる人が感嘆の声をあげ、「きれいな花ですね、素敵」など称賛の言葉をこぼすかもれしれない。


●「Valse du petit chien」を入れる

町から悲鳴が聞こえる。画面に逃げる人々と、「怪物」の姿が映し出される。犬にも見えるその姿は、体全体に青っぽい膿のようなものが覆っている。獰猛な目が町の人を捉え、追いかけ続ける。ティンダロスの猟犬を目撃した探索者はSANチェック、1D3/1D20。
暫くすると猟犬の姿は消え去り、何人かの犠牲によって町に平和が戻ったのかもしれない。
※探索者のいる部屋は大神の力に守られているので、猟犬に気づかれることはない。


●後に使う楽譜を先に使ってしまった場合

「Clair de lune」を先に入れた場合、町に夜が訪れるので2つ目の願いは発生せず、冬が訪れた後3つ目の願いに移行する(Xmas Endにたどり着けるが、SAN報酬が1点減少)。

「Feuersinfonie」を入れた場合、火の玉が降り注ぎ、町全体が火事になる。燃える町を見て探索者は自分の軽率な行動に後悔するだろう。SANチェック、0/1D3。(町の人は全員消火に向かうため祭壇の前からいなくなる)
「Liebesträume」を入れた場合、町の人全員が眠ってしまう。そのとき祭壇の前にいる人の様子を見れば気づくことができるだろう。
「We Wish You a Merry Christmas」を入れた場合、ベルの音が聞こえてくるが、他に変化はない。

「Clair de lune」以外は進行不可になるため、どの楽譜を装置に入れても反応しなくなり、以下のイベントが発生する。
※装置自体を壊した場合、次の願いを探索者が耳にしたら、以下のイベントに移行する。

探索者が何か行動を起こそうとするとき、背後から声をかけられる。
「ああ、どうやら君に任せたのは間違いだったみたいだね」
振り返ると、容姿端麗な青年がいつのまにか現れた。しかし、彼はヤギ髭を生やしていて、尖った耳や頭上にある小さな曲がった角に加えて、下半身が完全にヤギそのものだった。その化け物じみた姿を目にした探索者はSANチェック、0/1D4。
※パンの大神のサテュロスの姿。

○探索者が特に反抗しない場合、「あとは僕がやっておくよ。じゃあね」と青年が言うと、探索者は段々と眠くなって、意識が暗転する。
 →Dream Endへ

○探索者が彼に攻撃した場合(眠くなっていく途中攻撃を仕掛ける場合もこちらに)、「自分の立場をわきまえてないようだね」と言われ、パンの大神との戦闘に入る。しかし、勝っても負けても探索者のロストは避けられない。
 →Lost Endへ

パンの大神(サテュロスの姿)
STR19 CON29 SIZ15 INT21
POW70 DEX20 APP N/A
HP22 DB+1D6
攻撃:
こぶし    65% 1D3+db
キック(蹄) 75% 1D6+db
また、一度だけ探索者とPOW対抗をする可能性あり。抵抗失敗の場合、大神の奏でるパンパイプの音によって魅了され、その周りで踊り狂うしかない。
※英語版マレウス・モンストロルムより抜粋のため、独自の翻訳になります。サプリを所持している方は各自ステータスの確認をおすすめします。
 (Page 223-224, "Malleus Monstrorum: Creatures, Gods, & Forbidden Knowledge", Chaosium, 2006)




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◆エンディング


●Xmas End

すべての願いを叶えると到達するEND。
目が覚めると、探索者は自室のベッドの上にいた。まるで長い夢を見たような気分だ。
起き上がって窓の外を見れば、寝ている間に雪が降ったようで、一面の銀世界だ。
○導入で願ったのが実体のある物:ベッドの側にラッピングされたプレゼントが置いてある。中身は欲しがっていた物だ。もしかすると、「サンタ」からの贈り物かもしれない。
○願ったのが実体のない物:ふと、不思議な力が体より湧き出るような感覚を覚える。一体何なんだろう。だが、それはとても心地よくて、もしかすると誰かからの祝福かもしれない。
※状況に合わせて、KPが適宜に描写を改変してください。

○報酬
・SAN回復:叶えた願いの数×1点(全部で5点)
・芸術(音楽)または類似する技能:成長ロールを一回行える
・大神様からの贈り物(導入で願った物)



●Dream End

願いを全部叶えることができず、パンの大神に送り返されるEND。
目が覚めると、探索者は自室のベッドの上にいた。まるで長い夢を見たような気分だ。
しかし、夢の結末は満足できる物とは言い難い。探索者はもやもやした気分のまま、今日一日を過ごすのだろう。

○報酬
・SAN回復:叶えた願いの数×1点
・クトゥルフ神話技能:+1%(パンの大神との遭遇)



●Lost End

パンの大神を攻撃をすればこのENDにたどり着く。
戦闘で負けた場合、探索者の視界が暗転し、死亡する。
逆に、パンの大神のHPを0にした場合、彼は「真の姿」を表す。それを見たものは正気を保つことができず発狂するか、恐怖により死亡するしかない(なので正確な描写はできない)。パンの大神の本当の姿を見た探索者はSANチェック、成功で1D100、失敗で即死。
いずれにせよ、探索者はこの空間から逃げられないし、パンの大神に対抗する術もない。無謀にも戦いを挑んだ己の愚かさに後悔するしかないだろう。
○探索者ロスト




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◆補足

このシナリオのコンセプトは「クリスマスイブにサクッと遊べてプレゼントを貰う」なので、難易度も低く、リアルアイデアに成功したらダイスロールもSANチェック以外ほとんどありません。
KPとPLが望むのなら、楽譜のタイトルを理解するための条件を厳しくしたり、本棚での探索にロールを追加したりするなど、改変しても構いません。

また、難易度が低いためソロシナリオと指定させていただきましたが、複数人PLでももちろん問題ありません。その際、導入でPC全員の「願い」を把握し、5人目(赤い服に白い髭の老人)が願うときにPCの人数分のプレゼントを祭壇に供えるようにすれば大丈夫です。

楽曲や町の人の願いを変えれば、クリスマスと関係のないシナリオに改変することもできるでしょう。よければご自由に改変して遊んでくださいませ。


◆付録

シナリオに登場する楽曲について、制作時に想定していたものを紹介します。BGMが使える環境であればセッション中に流してみてはいかがでしょう。
ほぼクラシック楽曲なのでフリー音源も探しやすいと思います。検索しやすいように原文(もしくは英語)と日本語の名前、作曲家を掲載させていただきます。

●Clair de lune
タイトル:ベルガマスク組曲 3.月の光(Suite bergamasque 3. Clair de lune)
作曲家:クロード・ドビュッシー(Claude Debussy)

●Feuersinfonie
タイトル:交響曲 第59番 イ長調「火事」(Symphony No. 59 in A major "Fire")
作曲家:フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn)

●Liebesträume
タイトル:愛の夢 第3番(Liebestraum No. 3)
作曲家:フランツ・リスト(Franz Liszt)

●L'Inverno
タイトル:四季 協奏曲第4番ヘ短調RV.297「冬」(The Four Seasons Concerto No. 4 in F minor, Op. 8, RV 297, "Winter")
作曲家:アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi)

●Morgenstemning i ørkenen
タイトル:ペール・ギュント 第1組曲 作品46 1.「朝」(Peer Gynt Suite No. 1, Op. 46. 1.Morning Mood)
作曲家:エドヴァルド・グリーグ(Edvard Grieg)

●Valse des fleurs
タイトル:バレエ組曲「くるみ割り人形」 花のワルツ(The Nutcracker Suite: Waltz of the Flowers)
作曲家:ピョートル・チャイコフスキー(Pyotr Tchaikovsky)

●Valse du petit chien
タイトル:ワルツ第6番変ニ長調 作品64-1 「小犬のワルツ」(Waltz in D-flat major, Op. 64, No. 1, Valse du petit chien)
作曲家:フレデリック・ショパン(Frédéric Chopin)

●We Wish You a Merry Christmas
タイトル:おめでとうクリスマス(We Wish You a Merry Christmas)
※イングランドの伝統的なクリスマスキャロル




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◆裏話(ネタバレ)

※シナリオ制作の裏話などです、読まなくてもシナリオを回せます。


●制作経緯

このシナリオを思いついたきっかけは、よく一緒に卓を囲む友人との旅行でした。
とある博物館で行われたショーを拝見したが、音楽に合わせて魔法が施される演出が劇中にあって、それを見た友人は「シナリオにできそうだね」と言いました。その後、家に帰ってから構想を練って、改変に改変を重ねて、最後に出来上がったのがこのシナリオでした。音楽が流れると、町に変化が起きるギミックはショーからのアイデアでした。変化の内容自体はすべて本シナリオのオリジナルですが!


●クラシック音楽

音楽によって変化が起きるというシナリオの流れを先に決めてしまったので、最初は使用楽曲についてだいぶ悩みました。クラシックは昔から好きですが、詳しいと言えるほどではないので、展開に合わせて選曲するのが若干難しかったです。

今回使用した曲の中で、「月の光」はもともと「夜」をイメージして選んだ曲だったが、後に使う「夢」と被ってしまいそうになるので、NPCに「お月さま」と名言させることで「月」の曲になってもらいました。「火事」も、このシナリオに使いたいからと検索して初めて知った曲だったりします。

また、「外れ」の曲を選ぶときも迷いました。最初はヴィヴァルディの「春(四季)」や、リストの「ラ・カンパネッラ」(「鐘」という意味なので、鐘を鳴らしたら眠った人々が目覚めてしまうというトラップになる)なども考えましたが、最終的にすべての曲の作曲者が被らないように選びました。「ラ・カンパネッラ」は私が一番好きなクラシック楽曲なので、いつかどこかで使う機会があれば嬉しいです。