魔道書大戦RPG マギカロギア

マジカル☆ケーキ☆パニック!

Pixiv版TALTO版(内容はこのページと同じ)

●概要

人数:1~2人
リミット:1人4サイクル/2人2サイクル(4シーン)
レギュレーション:基本ルールブックのみで遊べます(GMは黄昏選書推奨)
推奨PC:第3~4階梯
難易度:普通

●あらすじ

「こんな世界、全然可愛くない!全部お菓子になっちゃえー!」
言葉が聞こえたと同時に、空からクリームの雨が降り注ぎ、
愚者たちも、町の施設も、次々とお菓子に変えられてしまう。
見上げれば、ふわふわの巨大なケーキが宙に浮いていた…。

●PCについて

人界に住んでいる、または人界を訪れることがあり魔法災厄から守りたいPCを推奨。
推奨経歴・機関はないが、猟鬼PCは非推奨です。
ソロの場合は第4階梯/功績点15点を使用したPC(継続推奨)、二人の場合は初期作成~功績点10点を使用したPCを想定しています(マギカロギアに慣れていないPLは初期作成非推奨です)。

●シナリオについて

本シナリオは「TRPGのシナリオスロット」の結果を参考に作成したものです。そのため、一般的なマギカロギアにない要素も含まれています。なんでも許せる人向けです。
シナリオの雰囲気はギャグ寄りです。詳細は【背景】の項目をご参照ください。





本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社アークライト」「株式会社新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の二次創作物です。
©河嶋陶一朗/冒険企画局/アークライト/新紀元社

本作を遊ぶのにマギカロギアの基本ルールブックが必要です。本文中の「ルールブック」表記は基本ルールブックを指しています。

この先はGMする方のみ読み進めてください。




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◆背景

書籍卿『Lovely Sweety』は可愛いもの好きな女の子だ。
しかし人界には可愛くないものが多すぎた。
これはよくない。そうだ、魔法で人界のすべてを可愛いものに変えよう!
そう思いついた彼女は、買ったばかりの大好物であるふわふわのケーキを改造して、禁書にしてしまった。
かくして、最初の標的をPCの住む町に定めた書籍卿は、空飛ぶケーキとともに人界へ舞い降りた……。

○シナリオの元ネタ
このシナリオは「TRPGのシナリオスロット」の結果から生まれたものです。スロットの製作者様に感謝。
TRPGシナリオスロット: https://slot-maker.com/slot/S7aKCbTxdCoYkkj2ohhT/

元の結果:
「大きなふわふわのケーキを
 このままにしていては、世界が危ないので
 爆発物で吹き飛ばす シナリオ」

●改変について

《プライズ:お菓子爆弾》の代わりに<断章>を入手するように改変すれば、爆発の要素を取り除いた一般的(断章を集めて禁書を封印する)なマギカロギアシナリオとして遊ぶことができる。その際、PCに合わせて禁書の魔力が合計15~18になるように調整してください。
もちろん、変更の旨をPLに伝えていれば、GMが更に自由に改変して構わない。




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◆導入

導入は1シーンのみで、PCが全員登場する。舞台はPCが住む町だが、PCが2人いて且つ住む場所が違う場合、どちらかが住んでいる町にもう1人が遊びに来た(もしくは任意の用事があって訪れた)ことにするといい。
以下はPCが1人の場合の描写なので、GMが状況に応じて改変してください。

PCは人界にて平和な一日を過ごしていた。普段人界に住んでいるPCならいつも通りの生活を送っており、そうでないPCなら所用で人界に訪れていたが、ちょうど用事が終わってのんびりしているところだ。

「こんな世界、全然可愛くない!全部お菓子になっちゃえー!」

突然、そんな言葉が聞こえた。何事かと周りの人間が不思議そうにしていると、誰かが空を見上げて指差して叫んだ。
「な、なんだあれー!!」
思わず上を向くと、雨……ではなく、白い何かが雨のように降ってきた。
PCが手で受け止めたり、地面に落ちたものを見たりすれば、それがクリームだとわかる。ケーキ作りなどに使われるクリームと同じもので、甘い匂いもする。

降ってきたものを認識した途端、周りの景色が変化し始める。建物はお菓子の家に、車はキャンディーに、人間はジンジャーブレッドマンに……あちこちから悲鳴が聞こえてきて、町はまたたく間に大混乱に陥った。

「うん、これでよし!」
大きな建物がなくなったため、PCの視界が開けた。見上げれば、空には大きなふわふわなケーキが飛んでいる……その上に一人の女の子が乗っていて、彼女こそが再び聞こえた声の主だと気づく。魔法の気配を身にまとう彼女は、間違いなく魔法使いだ。

任務ではないが、この事態をどうにかしなければ。

GMは【ジンジャーブレッドマン】【お菓子の家】【ふわふわのケーキ】【クリームの雨】のハンドアウトを公開してください。また、PCの【魔力】決定を行ってください。
PCのシナリオアンカーは書籍卿『Lovely Sweety』になる。推奨属性は「宿敵」。
PCの使命は【町がお菓子に変えられた騒動を終わらせること】になる。
以上の処理が終わったら、メインフェイズへ進んでください。

※PCは魔法災厄の影響を受けずに済んでもいいが、面倒ごとに巻き込まれたくないPCの場合、あえて姿を変えさせるといい。PCは元の姿に戻すために禁書を回収するだろう。この場合、PCのステータスは変化なしにしてください。




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◆展開

●シーン表と運命変転表

シーン表は下記の表を使用する。
運命変転表は「精神的災厄」もしくは「不思議系災厄」表を使用する(GMが選んでいい)。

○ケーキパニックシーン表
1:クリームの他に、粉砂糖も降ってきた。そのシーンに星の魔素が1点発生する。
2:動物型のクッキーが通り過ぎていく……誰かのペットだろうか。そのシーンに獣の魔素が1点発生する。
3:お菓子の家に入ろうとして、うっかり扉を壊してしまいそうだ。そのシーンに力の魔素が1点発生する。
4:「ここもお菓子にしちゃおう!」と書籍卿の声が聞こえた気がする。そのシーンに歌の魔素が1点発生する。
5:街路樹や花壇の花々は、マシュマロや綿菓子になったようだ。そのシーンに夢の魔素が1点発生する。
6:公園の噴水、庭の池……全部チョコレートになってしまった。そのシーンに闇の魔素が1点発生する。

●憑依深度

このシナリオでは採用しない。

●セッション進行

このシナリオにマスターシーンはない。また、ゾーキング要素もない。
町の住民も施設も、なにもかもお菓子に変えられた。この点さえ押さえていればGMは自由に描写してかまわない。

●書籍卿について

書籍卿『Lovely Sweety』に魔法戦を挑む(捕縛しようとする)ことはシナリオに想定される展開ではない。そのため、書籍卿のデータも用意していない。もし改変する場合、GMが適切だと思うデータを設定すること。
メインフェイズでは書籍卿は宙に浮いているケーキとともに移動している。もしPCが書籍卿に魔法戦を挑もうとするなら、「ケーキが邪魔で書籍卿に接触できない」と説明してください。また、「書籍卿を倒しても街はもとに戻らない」とはっきりと提示していい。




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◆クライマックス

禁書<ふわふわ☆いちごケーキ>との魔法戦を想定している。書籍卿は参戦しない(立会人にもならない)が、書籍卿の命令で禁書がPCたちに攻撃するなどの演出は可能だ。

すべてお菓子になってしまった町を眺めて、書籍卿『Lovely Sweety』は「なんて素敵な街並み!」と満足し、隣町をもお菓子に変えるために移動しようとする。これ以上被害が広がる前に、禁書を回収しなければならない。

禁書はそのままケーキの姿でPCたちと魔法戦を行う。クリームやイチゴを飛ばしてPCたちを攻撃するだろう。


◆エネミーデータ

●断章<いちご>

攻撃4 防御3 根源3 魔力10
領域:夢 特技:《幻》
【忘我】 装備 P163 (禁書魔法)

●禁書<ふわふわ☆いちごケーキ>

攻撃4 防御4 根源4 魔力30
領域:夢 特技:《雨》《翼》《炎》《物語》《幻》
【乙女召喚】 召喚 《物語》 P97
【恵雨】   呪文 《雨》  P104
【飛行】   呪文 《翼》  P105
【忘我】   装備      P163   (禁書魔法)
【空腹】   呪文 《幻》  黄昏P164 (禁書魔法)

※禁書のデータはすべての断章を含めたものである。断章<いちご>から魔法や魔力を剥奪した場合、クライマックスでは相当の魔力/魔法を削減してください。
※黄昏選書不使用の場合、禁書の【空腹】を外し、【火球】を蔵書に加えること。
【火球】 呪文 《炎》 P107


◆NPCの願い

書籍卿『Lovely Sweety』:世界をお菓子に変えたい!




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◆エピローグ

禁書を封印したら、空を飛ぶケーキそのものが消えて、町や住民も元の姿に戻る。
書籍卿は「何してくれてるのよ!」と怒るが、「次は別のお菓子にしてやる!」と野望をあきらめずに叫ぶと、そそくさとこの場から消えていなくなった。
魔法災厄から町を守ったPCは後日、禁書を大法典に届けて報酬を受け取ることになるだろう。

●禁書回収を失敗した場合

書籍卿はケーキとともに隣町へ向かい、再びクリームの雨を降らせて町をお菓子に変えていく。
GMが望めば(別のセッションにて)再戦の機会を与えてもいいし、そうでなければ知らせを受けた大法典は禁書を回収するために、別の分科会を派遣するだろう。
禁書が回収されるまで、町はお菓子になったまま、混乱に陥るだろう。




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◆ハンドアウト


ハンドアウト【ジンジャーブレッドマン】【クリームの雨】のどちらかの秘密を公開するとき、【プライズ:お菓子爆弾】のハンドアウトも公開してください。


●ジンジャーブレッドマン

町の住人が魔法災厄の影響を受けて、ジンジャーブレッドマンに変えられた。
【秘密】
住人の一人がキャンディーを一つ渡してくれた。何故か光っているそれに怯えているようだ。キャンディーをよく見れば、中には魔力が込められているとわかる。
《プライズ:お菓子爆弾》を一つ入手する。また、調査を行ったPCは好きな魔素を一つ獲得できる。


●お菓子の家

町内の建物がすべてお菓子の家に変えられた。中にあるものも当然すべてお菓子だ。
【秘密】
お菓子の中に不自然に紛れ込んでいるイチゴを発見した。いや、ただのイチゴではない……これは断章<いちご>だ!
PCはプライズとして断章<いちご>を獲得する。また、調査を行ったPCは好きな魔素を一つ獲得できる。

○断章<いちご>
攻撃4 防御3 根源3 魔力10
領域:夢 特技:《幻》
【忘我】 装備 P163 (禁書魔法)

※このシナリオで剥奪を行える対象は断章<いちご>のみになる。


●ふわふわのケーキ

町の上空を飛んでいる。ふわふわで美味しそうなホールケーキだ。
【秘密】
書籍卿がケーキを改造して作り出した禁書である。禁書を封印できれば、この騒動も解決できるだろう。
しかし、禁書の一部が欠けているように見える。どこかに断章がいるはずだ。
禁書のステータスが公開される。また、調査を行ったPCは好きな魔素を一つ獲得できる。

※禁書のステータスは【エネミーデータ】を参照してください。


●クリームの雨

町全体に降り注ぐクリームの雨。おいしそうな匂いがする。
【秘密】
クリームには強い魔力が込められているようだ。上手く利用すれば、逆に武器になるかもしれない。
《プライズ:お菓子爆弾》を一つ入手する。また、調査を行ったPCは好きな魔素を一つ獲得できる。


●プライズ:お菓子爆弾

魔力の込められたお菓子は、強い衝撃を与えると爆発しそうだ。
使用者は自分の攻撃ステップに、攻撃プロットの代わりにこのプライズを使用し、敵に10もしくは5D3のダメージを与えることができる(防御・ブロック不可)。
このプライズは1つにつき1回のみ使用できる。

※ダメージは固定値10か5D3のどちらか、PLが選ぶことができる。




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◆裏話(ネタバレ)

※シナリオ制作の裏話などです、読まなくてもシナリオを回せます。

背景にも書きましたが、このシナリオはスロットの結果から生まれました。作者が想定された世界観がどんなものかはわかりませんが、自分の結果を見て「これならマギカロギアのシナリオを書けますね…?」となり、結果的に書きました。当然、魔法使いたちの攻撃は多彩多様なので、爆発してもらうにはいつもと違うアプローチを使うしかなくて、爆弾をプライズとして渡すことになりました。一風変わった、といった感じの構成ですが、テストプレイでも快く受け入れてもらえましたので、こうして公開することができました。改めてテストプレイしてくださった皆さんに感謝です!

今回の書籍卿、かわいい見た目でとんでもないことを言い出す、子供みたいに純粋故に残酷なキャラにしたつもりです。見た目に関しては皆さんのご想像にお任せしますが、自卓ではとりあえず「かわいい」を詰め込みました。過剰なほどに。魔法名についてもそのコンセプトから外さず、かわいいそのものにしました。
本当は書籍卿も捕まえさせたほうがすっきりすると思いますが、あくまでメインは「ケーキを爆破する」シナリオなので、長引かせずに禁書との戦闘でシナリオは終了となります。彼女はどこへ向かっていったのか、今後どうなるのかは現時点決まっていないし、続編を書く予定も今のどころはありません。なので、GMの皆さんがどこかのシナリオで自由に登場させてあげるのもありなのではと、作者は考えております。どこかの町が再びお菓子になる魔法災厄が発生しても、魔法使いの皆さんがそれを華麗に解決してくれればそれもまた素敵だと思います!

あ、ちなみに愚者たちがジンジャーブレッドマンになったのは、私の周りにいるCoC勢の一部のトラウマになっているからです。刺さる人には刺さりますよね。皆さんもSAN値をお大事に!