魔道書大戦RPG マギカロギア
人数:2人
リミット:3サイクル(6シーン)
レギュレーション:基本ルールブックのみで遊べます
※GMは黄昏選書推奨。基本ルールブックのみ使用の代替案もあります
推奨PC:第3階梯(成長済み推奨)
難易度:普通
※一部ルール及び世界観に対する独自の解釈が含まれます
夜になるたび、町の住民はまるで人が変わったように振る舞う――。
人の自我を蝕み、別の人格へと上書きする。
そのような魔法災厄を引き起こす禁書が町に現れたため、
大法典からあなた達に禁書を回収する任務が降りたが……。
機関:猟鬼は非推奨。
新規作成の場合、作成時に10点の功績点を配布し成長させることをおすすめする。また、初期アンカー以外に運命1点のアンカーを1人追加しても良い。
(ただし公式シナリオの難易度に慣れたPLなら初期作成でも問題ないと思われる)
本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「株式会社アークライト」「株式会社新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の二次創作物です。
©河嶋陶一朗/冒険企画局/アークライト/新紀元社
本作を遊ぶのにマギカロギアの基本ルールブックが必要です。本文中の「ルールブック」表記は基本ルールブックを指しています。
この先はGMする方のみ読み進めてください。
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禁書<暁と宵の秘密>は毒のように周りの物を変質させ、汚染する。変質したものを愚者が体内に摂取すれば、元の人格が蝕まれ、新たに邪悪な人格を植え付けられてしまう。具体的には、その人間の持つ僅かな邪悪な欲望を数百、数千倍膨らませたような人格になる。最初は夜にしか表に出てこられない邪悪な人格も、時間が経つにつれ体を支配できるようになり、最終的に元の人格が消えてしまう。これが禁書のもたらす魔法災厄だ。
碧浦町に禁書<暁と宵の秘密>が現れ、魔法災厄を引き起こそうとしていることを大法典が把握し、所属する魔法使いの諸星千暁を調査に向かわせた。一度はそのありかを突き止めた千暁だが、禁書が断章に分割し逃げ出したせいで、報告のために仕方なく大法典に引き返した。しかし実は千暁は気づかないうちに、すでに断章<宵>に憑依されてしまっていた。
千暁の魔法名は『暁風運ぶ音色(Melody of Phosphorus)』であり、禁書の名前と一致する部分があるため断章との相性がよく、魔法使いでありながら憑依されてしまった。
断章の持つ力は千暁とその周囲にも影響を及ぼした。断章に汚染された飲み物を千暁が飲んだことで違う人格が植え付けられ、書籍卿『宵闇照らす輝き(Light of Hesperus)』が生まれ、禁書中毒になったのだ。
(大法典の他の魔法使いは憑依されていないため、汚染の影響を受けなかった。あくまで千暁は名前のせいで異例になっている。)
書籍卿の人格は夜にしか活動できず、千暁が魔法使いであるおかげか、愚者とは違って別人格と入れ替わっていても意識を保つことができ、ある程度行動を制御することもできていた。しかし憑依深度が深くなっていくにつれ、その制御もだんだん効かなくなっていった。このままではいずれ碧浦町の人々と同じように、自分も人格が上書きされてしまうことを恐れた千暁は、まだ書籍卿の力を押さえられるうちに、PCたちに自分を止めてほしいと願って禁書と書籍卿を回収するように頼んだ。
元々英語で書かれた小説であり、原題は「The Secrets of Phosphorus and Hesperus」である。主人公はヴィーナスという名前の二重人格の少女で、昼と夜で別々の人格が活動している。話の展開に「ジキル博士とハイド氏」のオマージュだと思われる部分があり、一部のジキルとハイドファンの間ではそれなりに知名度のある作品となっている。
※シナリオを回すのには必要はないが、「ジキル博士とハイド氏」を検索すればあらすじが簡単に見つかります。
※「ジキル博士とハイド氏」は実在しますが、「暁と宵の秘密」は本シナリオのための創作物です。
ポスポロス(Phosphorus)は「暁の明星」またはギリシャ神話でその星を司る神の名前であり、ヘスペロス(Hesperus)は「宵の明星」またはギリシャ神話でその星を司る神のことを指す。
事実上、二つの星はどちらも「金星」であり、明け方に観測された際に「暁の明星」と名付けられ、夕方に観測されたときに「宵の明星」と名付けられただけである。
※一般的にポスポロスは「明けの明星」と表記されるが、同じ発音で「暁の明星」とも読める。
シナリオタイトルにある「アステリア」(αστέρια)はギリシャ語での「星」の複数形である。ポスポロスとヘスペロスの「二つ」星なのであえて複数形を使った。
宵闇に昇る「宵の明星」が空に輝き続けられるか、それとも宵に訪れた闇を払うように「暁の明星」が光をもたらしてくれるかは、PCたちの活躍次第だろう。
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PCたちは上司「諸星千暁(もろぼし ちあき)」から呼び出されて大法典へ向かい、千暁から、「碧浦(あおうら)町」に魔法災厄が発生したと報告を受ける。とある禁書が周囲のものを汚染し変質させ、その変質した食べ物を摂取した町の住民は夜になると性格が別人のように変わり、朝になれば元通りになるらしい。どうやら禁書の魔法は人の自我を蝕み、別の人格を植え付けるようだ。
このまま魔法災厄が続けば、いずれ元の人格は消えてなくなる恐れがある。そうなる前に禁書を捕獲し封印してほしいと、千暁はPCたちに任務を言い渡す。また、禁書は現在書籍卿『宵闇照らす輝き(Light of Hesperus)』が所有しており、更なる魔法災厄をもたらすために使われている。2日後の夜に書籍卿は碧浦町に現れるため、とどめを刺さないように、捕縛して大法典に連行してほしいとPCたちは頼まれる。
※町の名前、上司のかりそめの名前は変更しても構わないが、上司の魔法名、また書籍卿の魔法名は変更不可。また、上司の性別は重要ではないので自由に決めて構わない。
○任務について
この項目の内容は、PCから質問されない限り開示しなくても構わない。そのほうが後ほどの展開も予想されにくくなるだろう。
PCが「なぜ書籍卿の行動を予測できるのか」「なぜ禁書にそこまで詳しいのか」など質問した場合のみ、千暁は少しためらったあと、「元々は自分が追っていた禁書と書籍卿だから」と答える。更に「なぜ急にPCたちに任せた」と問い詰める場合、「君たちのほうが適任と判断した」とだけ答えて、それ以上の質問には答えないか、はぐらかすだろう。
PCたちが勝手に理由を予想する場合(例:「天涯の占いで知りえたのか?」など)、千暁は肯定も否定もせず、「回収を頼んだ」とだけ言ってPCたちを送り出す。
※この時点では千暁はある程度書籍卿の行動を制限できるため、2日後に町へ向かわせるつもりでいる。当然、導入でPCに明かすことはないので誤魔化す。
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PCたちは魔法災厄の発生地「碧浦町」へ向かう。海辺にある町は風景がきれいで、場所によっては夕日が地平線に沈んでいく景色を観賞できるだろう。
ちょうど太陽が沈みきったそのとき、これまで見えていた町の穏やかな日常風景が突如一変した。帰宅途中の学生たちは談笑をやめ、急に喧嘩をし始める。道路を静かに走っていた車は、まるで暴走するように加速する。仕事を終え疲れていた会社員は、道の真ん中で急に大声で笑いだす……などなど、不可解な現象が起きている。
この大騒ぎの中で、PCたちは町の2か所から、特に強力な魔法の気配を感じる。一つは内装がおしゃれなカフェ、もう一つは商店街にあるドラッグストアだ。注目してみれば、カフェのオーナーらしき女性はそれまで笑顔で客と話していたが、急に客を怒鳴りつけて、注文されていない飲み物を強引に押し付けようとする。ドラッグストアの店員も普段通りにレジの仕事をしていたはずが、いきなり「これはおまけです」とお会計する客に大量のお菓子を渡しているようだ。
GMは「鈴木蘭花」と「吹田千里」のハンドアウトを公開してください。また、PCの【魔力】決定を行ってください。
PCたちのシナリオアンカーはそれぞれ鈴木蘭花と吹田千里になる。被らなければ選んでもらっても構わない。属性も自由に決めていい。
PCの使命は【魔法災厄の元凶である禁書の回収、及び書籍卿の捕縛】になる。
以上の処理が終わったら、メインフェイズへ進んでください。
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シーン表は基本ルールブックのものを使用する。
運命変転表も通常の物を使用する。
断章<暁>、及び断章<秘密>の憑依深度はサイクルごとに1上昇する。タイミングはサイクルの終了時(メインフェイズで回収できなかった場合、最終的に4になる)。マスターシーン「明暗の境界線にて」の項目もご参照ください。
断章<宵>の憑依深度は上昇しない。
1サイクルが経過するごとに、シナリオ内で1日が経過する。GMが望む場合、サイクルの1シーン目を昼間に、2シーン目を夜間にしてもいいが、シーン表に時間指定の項目もあるので、臨機応変に処理してください。
サイクルごとの終了時、断章<暁>もしくは断章<秘密>が回収されていない場合、マスターシーン「明暗の境界線にて」が発生する。
2サイクル目の終了時、マスターシーン「宵の明星が昇るとき」が発生する。「明暗の境界線にて」と同時に発生した場合、「宵の明星が昇るとき」を先に行ってください。
魔法名は『暁風運ぶ音色(Melody of Phosphorus)』。『暁(Phophorus)』の部分が禁書の名前と同一のため、断章と相性がよく「くっつくことができる」、つまり憑依されやすいというオリジナル設定になる。シナリオ開始時点では、まだ千暁はある程度別人格を抑えられていたため、日時を指定してPCたちに「自分」を止めさせようとしたが、時間経過による憑依深度増加の影響で、書籍卿の人格をだんだん止められなくなっていった。
書籍卿『宵闇照らす輝き(Light of Hesperus)』は千暁に植え付けられた人格で、他の植え付けられた人格と同様に夜にのみ姿を現す。昼間に探しても見つからないため、調査方法に関してはGMが柔軟に対応してください(PCの記憶から幻を具現化したり、夢を通じて会ったりするなど)。夜は直接会うことが可能だ。
○魔法戦を挑まれた場合
メインフェイズでPCが書籍卿に魔法戦を挑みたいと宣言した場合、「即座にクライマックスフェイズに移行することになる」ことを告げた上でもう一度確認してください。それでも挑むのなら、クライマックスフェイズの処理を行ってください。この場合、突入ボーナスを得ることはできない。
サイクルごとの終了時、断章<暁>もしくは断章<秘密>が回収されていない場合発生する。「宵の明星が昇るとき」と同時に発生した場合、「宵の明星が昇るとき」を先に行ってください。
夜明けの少し前に、地平線から一つの星が昇っていく。夜空の中でひときわ輝きを放つ明星の光は町に降り注ぎ、夜闇に漂う魔法災厄の気配が一瞬強まり、溶けるように消えていく。
ほどなくして、東の空に太陽が昇り、新しい一日の始まりを告げる。町は一時的な平和を取り戻したのだ。
断章<暁>と断章<秘密>が回収されていない場合、GMは憑依深度を1上昇させてください。
2サイクル目の終了時に発生する。
千暁の話によると、2日目の夜に碧浦町に書籍卿が現れるらしい。PCたちは身を潜めて、書籍卿を待ち伏せすることになる。
だが、いくら待っても書籍卿が現れない。千暁が間違ったのだろうか、とPCたちが思ったときだった。夜空から二つの閃光が放たれ、PCたちを射貫こうとする。
PCたちはそれぞれ《光》で判定する。失敗で1点のダメージを受ける。
※書籍卿が不意打ちに放った【火花】の呪文と、PCたちの抵抗判定。
「私を捕まえるつもりみたいだけど、あなた達にできるわけがないでしょう?残念でしたね!」
声の方向を見れば、星空を背に高いビルの上に立つ書籍卿――『宵闇照らす輝き』の姿があった。
「(PC1の魔法名)と(PC2の魔法名)、あなた達のことはよく知っていますよ。…捕まえてごらんなさい、できるものならね」
そう言い放った書籍卿は笑いながら姿を消してしまう。まもなく、夜明けの時間だ。
GMは「宵闇照らす輝き」のハンドアウトを公開してください。
※書籍卿は千暁と全く違う見た目をしていて構わない。人格に合わせて魔法で姿を変えているからだ。
※完全に人格が上書きされていないものの、この時点で千暁はもう書籍卿を押さえることができない。なのでPCたちに捕縛してもらうという千暁のプランは上手くいかなかった。
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禁書<暁と宵の秘密>との魔法戦を想定している。書籍卿『宵闇照らす輝き』が禁書中毒のため、禁書は書籍卿の特技と蔵書を使用できる(憑依深度による攻撃力/防御力/魔力の増加はない)。また、演出上では書籍卿が代表として戦うことになる。
ハンドアウト「宵闇照らす輝き」の秘密が公開されていない場合、禁書(書籍卿)からPCたちへ再び奇襲が仕掛けられる。その場合、PCたちは後攻になる。
シチュエーションについてPLから指定がない場合、碧浦町にある、星空がきれいに見える広場にて決戦を行うといい。大法典の魔法使いが編纂の魔法陣を設置し、PCたちが書籍卿を追いかけて広場まで誘導することで魔法戦が始まる。
※禁書魔法の修得による断章の魔力軽減を忘れないようにご注意ください。
攻撃3 防御3 根源3 魔力6 初期憑依深度1
領域:星 特技:《太陽》《光》
【浄化】 呪文 《太陽》 P120 (訪問者)
【偽書】 装備 黄昏P165 (禁書魔法)
※偽書の領域選択は「星」だが、GMが変更しても構わない。
※黄昏選書不使用の場合、以下のデータを使用する。禁書のデータも同様に蔵書を入れ替える。
●断章<暁>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6 初期憑依深度1
領域:星 特技:《太陽》《光》
【捕食】 呪文 《太陽》 P161 (禁書魔法)
攻撃4 防御2 根源3 魔力6 憑依深度6(禁書中毒)
領域:闇 特技:《不幸》
【呪怨】 呪文 《不幸》 P111
攻撃2 防御4 根源3 魔力5 初期憑依深度1
領域:夢 特技:《想い》《嘘》
【複製】 召喚 可変 P100
【逆転】 呪文 《嘘》 P101
攻撃4 防御4 根源3 魔力17
領域:歌 特技:《太陽》《光》《想い》《嘘》《不幸》
【複製】 召喚 可変 P100
【逆転】 呪文 《嘘》 P101
【呪怨】 呪文 《不幸》 P111
【浄化】 呪文 《太陽》 P120 (訪問者)
【偽書】 装備 P165 (禁書魔法)
攻撃4 防御3 根源3 魔力8
領域:力 特技:《混沌》《光》《狂気》 魂の特技:《二面性》
【緊急召喚】 召喚 可変 P97
【騎士召喚】 召喚 《混沌》 P97
【火花】 呪文 《光》 P101
【唱面】 装備 P113
鈴木蘭花:誰もが好きな最高の一杯(ブレンドティー)を客に提供すること
吹田千里:1億円がほしい(または、仕事をしなくても遊んで暮らせるようになりたい)
福井寿一:万病を治せる奇跡の薬を作り出したい
宵闇照らす輝き/諸星千暁:自分に憑依した〈断章〉を回収してほしい
※書籍卿(千暁)は禁書中毒のため、ルールブックの通りに処理する(P157参照)。
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禁書を封印すると、元の姿に戻った千暁がPCたちの目の前に現れる。酷く消耗しているが、自我を取り戻していて、PCたちとも会話できる。
PCたちが禁書を封印したのと同時に、千暁に植え付けられた書籍卿の人格も消滅したと本人が教えてくれる。魔法災厄を食い止めてくれたPCたちに千暁はお礼を言う。もしPCたちが尋ねるのなら、これまでの経緯も話してくれるだろう(GMは【背景】の項目を参照して説明を行うといい)。
その後、編纂を手伝いに来た大法典の魔法使いと共に、千暁は禁書を大法典に届けてくれる。PCたちは任務を達成し、夜明けを迎えた碧浦町も平和を取り戻した。
※このシナリオの特殊処理になるが、禁書中毒の「代償」として書籍卿の人格のみが消滅し、千暁は無事である。(「代償」の判定は省略していい)
※書籍卿を捕縛できないが、任務は達成したとする。
禁書を封印すると、共に倒れた書籍卿は封書となり、PCたちの手中に収められる。そして、夜明けを迎えた碧浦町は平和を取り戻した。
魔法災厄が消えたのを確認し、編纂を手伝いに来た大法典の魔法使いはPCたちに任務の達成を告げ、禁書と封書を大法典に届けてくれる。もし千暁について尋ねても、「千暁に頼まれて協力した」としか言わず、千暁の行方はわからないようだ。
その後、PCたちと千暁が再び会うことはないだろう。
※このシナリオにおいて、書籍卿を「服従」させるのは不可能とする。
※先述のエンディングと同様に、消滅したのは書籍卿の人格だけで千暁本人は無事だが、暫くは封印されたままになる。封印が解除された後も大法典の監視下に置かれるだろう。
全員植え付けられた人格が消滅し、元通りになる。
禁書は再び断章に分割し、違う宿主に憑依してしまう。大法典は禁書を回収するために別の分科会を派遣するだろう。
元の宿主たちや、一部の魔法災厄の影響を長く受けていた人たちは、本来の人格が完全に消滅し、禁書が回収されたとしても元に戻ることはない。碧浦町は以前ほど住み心地の良い街ではなくなるだろう。
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おしゃれなカフェを経営している。昼間はにこやかに注文された飲み物を客に運ぶが、夜になると怒鳴りながら客に飲み物を押し付けようとする。
【秘密】
断章<暁>に憑依されている。客に押し付けようとする飲み物は断章により変質しており、飲んだ人間に別の人格を植え付けてしまう。
○断章<暁>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6 初期憑依深度1
領域:星 特技:《太陽》《光》
【浄化】 呪文 《太陽》 P120 (訪問者)
【偽書】 装備 黄昏P165 (禁書魔法)
※偽書の領域選択は「星」だが、GMが変更しても構わない。
※黄昏選書不使用の場合、以下の断章データに変更する。
●断章<暁>
攻撃3 防御3 根源3 魔力6 初期憑依深度1
領域:星 特技:《太陽》《光》
【捕食】 呪文 《太陽》 P161 (禁書魔法)
吹田千里の友人。製薬会社で医薬品の開発に携わっている。元から真面目な性格ではあるが、最近は夜になっても家に帰らず、研究室に籠っているらしい。
【秘密】
断章<秘密>に憑依されている。断章の影響で夜遅くまで仕事に没頭する様になっており、彼の研究材料も影響を受け変質している。変質した研究材料は会社の商品(薬品やお菓子)の原材料となり、摂取した人物に魔法災厄を引き起こした。
○断章<秘密>
攻撃2 防御4 根源3 魔力5 初期憑依深度1
領域:夢 特技:《想い》《嘘》
【複製】 召喚 可変 P100
【逆転】 呪文 《嘘》 P101
禁書を使い、町に魔法災厄を引き起こした書籍卿。PCたちを知っているようだ。
【秘密】
諸星千暁が断章<宵>に憑依され、植え付けられたもう一つの人格である。本来この禁書の力は魔法使いには通用しないが、千暁の魔法名は『暁風運ぶ音色(Melody of Phosphorus)』で、禁書の名前と一致する部分がある。そのため断章に憑依され、『宵闇照らす輝き』は「禁書中毒」になった。
○クライマックスフェイズにて『宵闇照らす輝き』に魔法戦を挑めば、禁書戦が発生する。
○禁書を封印できなかった場合、千暁の本来の人格は消滅する。
○断章<宵>
攻撃4 防御2 根源3 魔力6 憑依深度6(禁書中毒)
領域:闇 特技:《不幸》
【呪怨】 呪文 《不幸》 P111
○『宵闇照らす輝き』
攻撃4 防御3 根源3 魔力8
領域:力 特技:《混沌》《光》《狂気》 魂の特技:《二面性》
【緊急召喚】 召喚 可変 P97
【騎士召喚】 召喚 《混沌》 P97
【火花】 呪文 《光》 P101
【唱面】 装備 P113
※禁書中毒についてはルールブックP156〜157をご参照ください。
※真の姿効果は使用しないものとするので省略している。
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※読まなくてもシナリオを回せます。
以前読んだ星座の本にHesperusとPhophorusについて書かれていて、「二重人格みたいだしこれをモチーフにシナリオを書きたいな」と思ったものの具体的な話は中々決まらず。そうして数ヶ月が過ぎ、ある日ツイッターで「パラケルススの小瓶」企画を目にしました。おかげで「二重人格」に「毒」を加えれば上手くシナリオがまとまることに気づき、今作を完成させることができました。なので企画に参加できて本当に嬉しかったですし、この場を借りて主催者様に感謝を述べたいと思います。
「毒」の要素として(元の人格への)侵蝕は元から書こうとしましたが、服毒(断章に汚染された料理)や「ジキル博士とハイド氏」などは企画参加後に追加したもので、おかげで話がより展開しやすくなったと思います。そしてNPCの名前も毒草をモチーフにしようと決めたので考えやすくなりました(それぞれ元ネタがスズラン、スイセン、福寿草になります)。「毒」がすべてを整えてくれましたね…。
自作は自由に描写していただいて構わないと思って、今まで断章戦の演出などはGMにお任せしていますが、せっかくの企画ですのでおまけとして一部の描写を別途ダウンロードできるように用意しました。あくまで参考用なので、採用するかは自由です。どちらにせよ、GMとPLの双方にシナリオを楽しんでもらえたら幸いです。
「パラケルススの小瓶」企画
https://peaslabo.wixsite.com/paracelsus20220401